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個性豊かな登場人物が面白い!「これは経費で落ちません!」レビュー

2020年6月9日

久々に「良いな~」と思って最後まで見たドラマです。

コミック原作のオフィス系ドラマで、2019年7月26日~9月27日までNHKの夜10時から約1時間枠で放送されていました。

普段はあまり日本のドラマは観ないのですが、たまたまNHKをかけていたときに宣伝されていて面白そうだったので放送日に観てみると、これがどハマり!

とくにハラハラドキドキのサスペンスものでもなく、ドロドロした恋愛模様が展開されるわけでもない(多少はありますが)、あっさり系の中身なのですが、なんといいますか、見た後に「爽やか」「すっきり」した気分になれるんですよね(癒し系というのでしょうか?)

今回はそんな癒し系のドラマをレビューしていきます。

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安心して観れるのが魅力!

ドラマの大筋は、多部未華子さんが演じる地味な経理のOL、森若さんが社内や社外で起きるハプニングに冷静沈着な判断力で解決していくという「オフィス探偵スタイル」です。

ハプニングの内容は経費の使い込みや出世競争、社内恋愛、取引先とのトラブルなどなど、基本的に会社の中で起きる出来事になっています。

このハプニングも映画とかであるようなドロドロ系ではなく、「事情があって仕方なくそうなってしまった」というのが大変で、これがすごく安心して観れたのですね。

トラブルを解決して一件落着となった後も、それを発生させた人物が憎まれて退場になるのではなくて、「まあ仕方ないよね。次回はそうならないように頑張ろうよ」的なノリでドラマ全体がエンディングにいくので、鑑賞後にすごくすっきりした気分になれるんですよ。

人間の嫌な部分とか、ドロドロした部分を必要以上に表現せずに、むしろそれをコミカルにさらっと描いているところに、このドラマ(原作)の魅力があると思います。

森若さんのギャップが可愛い

まずもって主演の多部未華子さんが魅力的。

from: NHK

UQモバイルのCMでお馴染みですが、見たままの冷静沈着な対応力でハプニングを次々と解決していく様は、OLでもない自分でもかなりカタルシスを感じましたね。

それも会社では縁の下の力持ち的な存在の経理の社員が上層部を動かすまでの動きをするのですから、その言葉だけ見ればかなりのスーパーヒーローです(笑)

過去の経理データを駆使しつつ、時には現場に行って探偵のような動きで情報を掴んでいく「パッシブ&アグレッシブ」なキャラ立ちが、見ていてすごく爽快なんですよ。

一方で恋愛とか人間関係にはあっさりというか、かなり奥手なところも魅力の一つ。

そこがまた人間的な可愛らしさを出せていて、同じく恋愛に今一歩踏み出せないオフィスワーカーの女性の共感を呼んだのではないかなと思います。

仕事では公私混同せずにピシッとしつつ、少しづつ恋愛にも目覚めていく様子は見ていてすごく微笑ましかったです。

経理部の団結力がうらやましい!

そんな森若さんが所属する経理部は社内でも少し窓際的な立場に置かれています。

というか、隣接する営業部が始終なんやかんやで騒いでいるので、それと対照的に「静か」になっているだけかもしれませんが・・・

営業部が10人前後の大所帯だとしたら、経理部は森若さんを含め、4~5人体制。

途中から新人の社員が入ってくるのですが、基本的な森若さん(多部未華子)、佐々木さん(伊藤沙莉)、田倉さん(平山浩行)、新発田部長(吹越満)の4人がレギュラーメンバーという流れです。

from: NHKスタッフブログ

このメンバーの結束力がすごく良くて、森若さんの不正を見逃せない鋭い目をカバーするかのように、先輩の田倉さんが男らしく率先して動いたり、天真爛漫なキャラの佐々木さんが森若さんの手助けをしたり、積極的に手助けはしないけど、バックで支えるという風の吹越部長がいたりと、ドラマの最初から最後までがっちりチームワークを組んで経理部を盛り上げていたのが、見ていて気持ちよかった。

自分が昔いた部署はまったくこんな風ではなくて、むしろドラマの営業部のように個々人が勝手に動くという雰囲気だったので、正直、この経理部の結束力は羨ましかったです(苦笑)

営業部の面々のキャラ立ち感がすごい!

かたや経理部のライバル的な存在として描かれている(単に部長同士が仲が悪いだけですが)営業部は、これまた個性が強いメンバーが揃っていて見ごたえがあります。

from: NHKスタッフブログ

まず何よりも部長の吉村さん(角田晃広)が「いかにも営業部」という豪快なノリで、出張やら接待やらの経費を細かくチェックしてくる経理部を嫌っていて「会社は営業が支えてるんだよ!」と叫ぶ様が毎回の定番のようになっていました。

とはいえ、部長自体のキャラはお調子者風ではあるものの、意外に真面目で部下の責任もきっちり取って締めるところは締める点は嫌な気分にはなりませんでしたね。(最後は沖縄の営業所に飛ばされて、領収書のチェックに厳しい経理部長になってましたが笑)

あとはドラマの後半で森若さんの恋人になる山田太陽くん(重岡大毅)。

from: NHK 

天真爛漫で爽やかなキャラが見ていて気持ちよく、いかにも後輩にいそうな雰囲気が親しみを持てました。

他には同じく営業部の若手の先輩格の山崎さん(桐山漣)もやたらと爽やか。

from: NHK

仕事のできる営業マンですが、本人はもともと研究がしたかったみたいで、何度も部長に転属願を出すも、その都度胡麻化されてストップ(営業成績がトップなので)

山田太陽くんとは正反対の冷静なキャラが、後に森若さんを救うことになるので、以下にも適材適所といった配役でしたね。

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ほかにも企画担当の中島さん(松井愛莉)の森若さんとは対照的な「恋に生きる」溌溂としたスタイルが眩しかったですし、でも会社の重要な業務では真剣に取り組む真摯さは心地よいものがありました。

というか、営業部の若手の社員は皆美男美女すぎるだろうと(笑)

番外編としては、一回だけ出てきた岡崎体育さんのダメ社員ぶりは笑えましたね。

常にさぼっていることを考えるダメ社員役で、他のキャラとは違って、この人だけは最初から最後までダメダメなままで終わってしまったという(笑)

ドラマ終わりの爽やかさが魅力!

ドラマは毎回のストーリーごとに進んでいくのですが、それぞれの回に出てくる一見悪そうな人や、普通のドラマや映画なら憎まれて終わってしまいそうな人が、最後には「まあ仕方なかったよね」と手打ちして終わるところが良かったです。

それぞれの人生で理由があって、それぞれの生活でやむにやまれぬ事情があり、それが「不正」や「悪事」になっていくのですが、でもそれを暴露して糾弾したあとも、決して後味の悪さを残さないところが、このドラマの良さだと思います。

連続物のドラマだと事件は引き続き残るので、最後の締めも悪い余韻で終わってしまうことも多いのですが、一話完結のドラマ仕立てなので、そこは「解決して爽やかにエンディング!」が可能なんでしょうね。

とはいえ、次回につながる動きもドラマ終わりに見せてくれるので、そこは軽く「サスペンス感」を出してくれています。

森若さんの不器用な恋愛に引き付けられた!

このドラマの魅力は主人公の森若さんのキャラに負うところが大きいと思いますが、その中でも彼女の良さを引き出しているのが「恋愛に不器用なところ」。

仕事では超がつくぐらいに真面目で有能で完璧主義なのですが、こと恋愛になると「????」がつくくらいに不器用さを発揮するのが、これまた愛嬌というものです。

相手は森若さんに仕事上で救われた山田太陽くんですが、このときの騒動で今まで意識していなかった森若さんの凛とした人間性と仕事に対する姿勢、そして時折、垣間見せる可愛らしさに魅かれていき、何度もアプローチすることになります。

女性というだけでなく、人間性に尊敬して惹かれていくというのが、何となくいい感じですよね。

彼のもつ天真爛漫で常に前向きなところが、冷静で奥手な経理女史の森若さんのキャラとは正反対で、会社でもプライベートでも色んなハプニングがあるのですが、最後はついに付き合うことになり、そして結婚へいくのかと思いきや!

最終回で山田君は会社の新事業のために数年間、香港に転勤することになります。

それでも森若さんを忘れずに帰国した時にまた会いたい(そして結婚したい)という思いを森若さんにぶつけます。

森若さんもそれを受け止め、二人の関係は遠距離恋愛という形でエンディングを迎えたのでした。

最後のシーンで、森若さんが山田太陽君からもらったメモを見て微笑むシーンは良かったですね。

海外に赴任して離れてしまう彼氏との関係に悩み、それでも待つことにした森若さんの決断。

きっと会社ではそれからも色んなハプニングが森若さんを待っていることでしょう。

最終回を見た後に「良かった!」とツイートしましたが、多くのファンが「ぜひ遠距離恋愛の二人の関係を見たい」「続編を作ってほしい!」という声に溢れていて、私もそう思いました。

ぜひとも続演を見てみたいですね!

まとめ

登場人物の爽やかさや毎回の鑑賞後の心地よさは、数は少ないですが、ここ数年見たドラマの中でもずば抜けていたと思います。

NHKなのでCMが途中で差し込まれないのも良かったと思いますが、ドロドロした人間模様、必要以上に心の動きを掘り下げる重たい場面がほぼなかったことも、鑑賞後の気分の良さを上げてくれた要因かなと思います。

それ以上にやはりなんといっても森若さんの存在でしょう。

まっすぐでブレない思い、自分に正直で誠実なキャラクターが織り成す物語に本当に惹きこまれました。

そんな彼女の大切な人となる山田太陽くんとの掛け合いも、あまりにも初々しくて爽やかすぎて悶え死にしそうでした(笑)

彼女を支える経理部の面々と営業部のメンバーとの掛け合いも最高。

「本当に悪い人なんか世の中にはいない」

そう思わせてくれるこのドラマは現実ではそうでないことが多いからこそ、多くの人の心のオアシスになって支持されていたのだと思います。

本当にぜひまた続編を作ってほしいですね。

次回はぜひ森若さんと山田太陽くんとのその後を見てみたいです。

それまではコミック版でドラマ世界を楽しむとしましょうかね^^


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