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【バフェットの投資術】書籍レビューと長期投資のポイントを紹介

2021年10月1日

ウォーレン・バフェットは総資産10兆円を越える「世界で6番目に資産をもつ男」として有名です。

投資の道では知らぬ人はいないほどの伝説の投資家であり、物言わぬ株主として「企業の長期的成長」に価値を置く「企業育成のビジネスマン」の一面ももっています。

そんなバフェット氏の投資術が今回、ある書籍で分かりやすくまとめられていました。

会計学の大学教授がまとめたバフェットの人生と投資術の書籍ですが、今回はそこから印象的だった、とくに気になった部分を取り上げつつ、それにまつわる感想や関連情報を紹介していこうと思います。

子供の頃からお金大好き人間だったウォーレン・バフェット

証券会社の経営者で下院議員だった父親と専業主婦の母の間に生まれたバフェットは、子供の頃からお金儲けに興味をしめす「お金大好き人間」でした。

ジュースの瓶のふたを集めて市場分析したり、祖父の経営する雑貨店でチューインガムをまとめ買いして利鞘で設けたり、コカ・コーラを売って歩いたりと、積極的にスモールビジネスを展開してお金の稼ぎ方を学んでいったという、まさに「マネーキッズ」。

長じるにつれてその規模が大きくなってきて、しまいには姉と共同で株を購入するまでに至ります。

そして学生時代には尊敬していた経済学者であり、プロの投資家であったベンジャミン・グレアム氏に師事。

大学卒業後にはグレアム氏の証券会社に就職し、そこで数年間、株や投資のエキスパートとして実地経験を積むのです。

その後は故郷のオハマニ戻って自らの事業を立ち上げたバフェット。

そこから怒涛の快進撃で投資事業を次々と回転させ、後に「投資の神様」と呼ばれる下地を築いていったのです。

数字だけではなく経営者の周辺情報を

バフェットの投資に対する姿勢は、彼の前半生で最も大きな影響を与えたグレアム氏の「まずまずの企業をすばらしい価格で買う」教えから、フィッシャーの「すばらしい企業をほどほどの価格で買う」に傾いていきます。

グレアム氏は非常に優れた投資家でしたが、買収する際に企業価値を判断するときは「決算書の数字」しか見ないという傾向がありました。

数字にその会社の全てが現れるという考え方が基礎にあったと思いますが、そのやり方では頭打ちになることがバフェットの経験から明らかになっていたのです(業績が伸び悩むため⇒まずまずの会社だったから)

そんなときに出会ったのがフィリップ・フィッシャーという投資家の先ほどの理論。

フィッシャーの書籍「株式投資で普通でない利益を得る」に感銘を受けたバフェットは、後年の投資法はむしろフィッシャー理論に強く影響を受けて運用したといいます。

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シンプルに言い直せば「良いものを安い値段で買う」と当たり前のことですが、投資の世界ではむしろグレアム氏のやり方のほうがスタンダードだったのかもしれません。

ただフィッシャーは「経営者の評判やブランド力」などを投資の判断に取り入れており、バフェットはグレアムの「数字しか見ない」方法から一歩前に進んだフィリップ式の投資の方法を、自らの投資活動に組み込むようになったのです。

バフェット氏の投資ルールとは?

本書で述べられているバフェット氏の投資方法は、年代を経て少しづつ変化をしていきます。

大きく分けて前半生の「グレアム氏直伝の数字に重きを置いた投資」と、中盤でフィツシャー理論に影響を受けた「周辺情報を組み込んだ投資」の2つだと言えます。

その2つをバランス良く組み込みつつ、長年の経験で培った投資のルールが以下になります。

・他の投資家の意見や動きに一喜一憂せずに(株価も含む)、自分で調べて判断する

・帳簿上の数字だけでなく、商品のサービスや経営者の質、顧客の信用、企業の評判も検証する

・自分の分からない分野の企業や業種は避ける

・長期的な成長が可能がどうかをみる

細かくいえば、もっと多くの指標を駆使して投資の判断を行っていますが、ものすごく大まかにまとめると以上のような形になるといえます。

こうやってみてみると、バフェット氏の投資方法はいたって「健全」で、あくまでも企業を「長期的な視点」で捉えてその価値を判断していっていることが分かりますね。

この反対がデイトレーダーや機関投資家などによる投資(株価や数値を重視)だと思いますし、バフェット氏に比べれば「短期的」な視点での投資がメインになっていると思います。

ESG投資で投資のリスクを減らす

時代の流れや流行りに惑わされずに、あくまで「その企業や経営者が持つ魅力やブランド力・信用性」を重視し「永続的な成長が可能かどうか」を投資判断に置くことで、時代ごとの幾多もの危機を乗り越えてきたバフェット流投資術。

そんなバフェット氏の投資のルールは、今起きつつある「新たな時代の動き」とものすごく相性が良いといえます。

その動きが「ESG」です。

ESGとは、

Environment(環境)自然環境を破壊しない企業活動

Social(社会)人権侵害のない労働方法

Governance(ガバナンス)公正性と透明性の高い経営

のことで、どれも近年の社会全体の風潮を反映したものになっています。

これらはSDGs(持続可能な開発目標)と並行して「国や企業、個人レベルで取るべき姿勢」として重視されており、「企業価値」「経営者の質」に重きを置いたバフェット式の投資ルールと被るものが多いと言えます。

実際にバフェット氏は上記のESGを指標にした投資に積極的に関心を寄せていて、再生可能エネルギー事業に巨額の投資を行ったり、社会問題を言及したりすることで、それを示しています。

地球環境レベルでの長期的な存続を目的としたESGやSDGsの姿勢は、自らの「中長期的な視点に立った」投資法に強靭な思想的裏付けを与えてくれたと感じたのかもしれませんね。

逆張りの名手バフェット氏の真骨頂

そんなバフェット氏は何も安全確実な投資ばかりを好んで行ってきたわけではありません。

自らが巨額の投資をしてきた投資銀行がスキャンダルで破綻しかけたこともありますし、買収した企業の経営を回復できずに大勢の社員をリストラする羽目になったこともあります。

また逆に大幅な株安となった有名企業の株を大量に買ったことで、後にその初期投資が大幅な利益をもたらすこともありました。

その中で特に有名なのが、本書でも取り上げられていた、大手投資銀行のソロモンブラザーズの破綻を救ったこと、ウォーターゲート事件で政府からの圧力を受けていたワシントン・ポストの主要株主になったことです。

前者は銀行のトレーダーが無断で顧客の名前を使って国債を入札したこと、さらにそれを社長が監督官庁に隠していたことが露見し、財務省がソロモンへの国債の購入を禁止するなどの措置を取ったことで、銀行の存続が危ぶまれました。

このときに同銀行にも投資を行っていたバフェット氏が立ちがり、自らがCEOに就任して銀行の再建に奔走するのです。

ウォーターゲート事件のスクープで政府から圧力を受けていたワシントン・ポスト紙の危機も、バフェット氏が投資を行うことで助け舟を出し、女性の経営者だったグラハム氏の信用を得て、最終的には社外取締役にも就任するほどの良好な関係を築くまでに至りました。

どちらもバフェット氏はあえて「逆張り」することで(ソロモンの場合は少し違いますが)投資先を救い、さらに自らの信用と名声を勝ち得るという、まさに「虎穴を入らんば虎児を得ず」(危険を冒さなければ、大きな成功は得られない)の精神で成功に導いたといえますね。

これらから分かるように、バフェット氏が決して安全な長期投資だけで成功してきたのではなく、過去に何度もあった投資先の危機を自らが先頭に立って事態の収拾に努めてきた「ハイリスク・ハイリターン」の手法も同時に行い、その富と名声を確固たるものにしてきたのです。

余談ですが、ソロモンブラザーズの破綻と、ワシントンポストの女性経営者に関するくだりを読んでいて、ふとある「映画」を思い出しました。

一つは「マネートレーダー/銀行崩壊」で、歴史のあるイギリスの大手投資銀行が社員の不正取引で破綻したことです。

主演を私の好きなユアン・マクレガーがその社員を演じていて、深夜放送で一度見たことがあるのですが、全般的にシリアスな内容で妙に心がささくれだった思い出があります。

社員が引き起こした事件で銀行が破たんするという意味では、まさにソロモンブラザーズとそっくりだなと感じました。

過去記事でも取り上げていますので、よければどうぞ。

人生は金なり!マネー映画おすすめ4選+カジノ映画比較サイト紹介!

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もう一つがワシントン・ポスト紙の危機を描いた作品「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」です。

ウォーターゲート事件をすっぱ抜いた同紙が政府と戦う映画ですが、この作品の実際の背景でバフェット氏が社の存続に貢献していたということになります。

女性経営者のグラハム氏をメリル・ストリープが演じていましたが、さすがは名女優といえる迫真の演技で見応えがありました。

日本に投資をしたバフェット氏の真意とは?

最後にバフェット氏が2020年8月に日本株を取得したことについて触れておきます。

それまで日本の株は買わないとされてきたバフェット氏が突然、日本の5大商社(伊藤忠、三菱、三井、住友、丸紅)の株を取得したことで大いに騒がれていましたが、その理由として、

・長寿企業が多い日本では長期投資に向いている

・総合商社は事業規模も大きく、世界各地に合弁事業をもっている

・利回りが低い日本企業の中でも、総合商社のそれは高い

が挙げられていて、まさにこれらがバフェット氏の信条である「ブランド力をもつ長期投資に向いた企業」ということになるのだと思います。

さらにコロナによる株価の割安もあって、今が買い時だと判断したのかもしれません。

投資の王様であり、長期視点で企業の価値を見いだすバフェット氏が日本の会社に投資してくれたというのは、同じ日本人としてなんだか少し嬉しくなりますよね(自分の懐とは全く関係ありませんが笑)

まとめ

以上でバフェット氏の投資術を取り上げた書籍のレビューと、その投資術や生き様に対する自分なりの見方をまとめさせてもらいました。

自分の中での氏のイメージは「高潔な人」。

投資家と言うと「金の亡者」という悪いイメージがつきまといますが、バフェット氏の企業の質と経営者の人間性を重視するスタイルはその真逆だと感じます。

もちろん表に出てこない部分では、氏と言えどもそれなりなことをしてきたのかもしれませんが、それを打ち消すほどの偉業と伝説をすでに数多く打ち立ててきていると思います。

投資術としては、まっとうな長期投資を行うのであれば氏の方法が最も着実だと思いますが、一方でそれを可能にしてプラス大きな収益を手に出来るのは、投資資金に余裕のある人という限定がつくのも事実だと思います(つまりは種金を貯めろ!ということですね)

とはいえ、その思考法や哲学は投資以外にも参考にすべき点が多いと思いますので、自分の生活でも取り入れるべきところを取り入れて、より良いマネー人生を送れるようにしたいと思います。

本書自体はマンガを交えて読みやすいので、まだ未読の人はおすすめしますよ。

 

 

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