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「バビロンの大富豪」で学んだ【お金の貯め方・増やし方】

2021年10月28日

古代バビロニア王国から伝わる「貯蓄・資産運用」のノウハウを説いた書籍です。

ビジネス本ではロングセラーになっているようなので、私も試しに読んでみようとklindle読み放題サービスでダウンロードしました。

説かれている内容は一話完結の物語形式になっており、それぞれの章で主役となる人物がお金持ちの賢者(商人や金貸し)のもとに知恵を借りに行く、という形をとっています。

最初は「ありきたりなお金を貯めるための人生訓的な寓話程度だろう」と思って期待せずに読み進めたのですが、これが意外に実用的で驚きました。

今でも十分に通用する「お金の運用法」「労働の価値とは何か?」など、すぐにでも実践できるノウハウや人生における仕事の在り方などが説かれていて、本書が百年以上にも渡って読み続けられてきた理由が分かった気になりました。

ということで、今回はその感想と学んだポイントを述べていきたいと思います。

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お金の貯めるための古代バビロンの教え

物語の1章目になる「財産を築くには不滅の原則があった」では大富豪のもとを訪れた戦車職人がお金持ちになるための教えを請いに行くところから始まります。

職人は真面目に働いてきたのですが、一向に生活が良くならないことに疑問を感じ、「どうしたらお金を貯められるのか?」ということを聞きに行ったのです。

その答えは「稼いだものは、すべてその一部を自分のものとし取っておくこと」ということ。

さらに

稼いだ金額がいかに少なかろうと「十分の一」よりも減らしてはいけない

という教えも受けたのでした。

たとえ十分の一を残すだけでも生活が苦しくなろうと、まずは残すことが大事。

生活に必要な支払いは残りの十分の九で済ませるようにすべし!

まさに現代でも通じるような教えですね。

確かにお金を貯めるためには「一部を使わずにとっておくこと」が一番確実です。

でもここで書かれている「稼いだ金の十分の一を貯める」という教えは、数字がすごく具体的で記憶に刻まれました。

多くの人は稼いだ金をほとんど他人のために支払っていて(家賃や食費、その他の生活費のすべて)、自分自身のために使ってしまいます。

たとえ自分の気晴らしのために食事やお洒落をするためにお金を使っても、結局はそれを提供した他人に支払うのと同じことだというのです。

でも十分の一だけは死守することで、時が経てばさらに金を生む元手になりえるということ。

まずはここに納得!ですね。

財産とは「金の流れ」

次に貯めたお金の使い方です。

2章以降の寓話で進められていく古代バビロニアの賢者の知恵では「ある程度貯まったからといって、それをそのままにしておくのは「真の財産とはいえない」」ということに特に力点を置いていると感じました。

貯めることはあくまで手始めに過ぎないということ。

老後の豊かな財産を作ってくれるのは「貯めた金がさらに稼いでくれる状態」だということ。

現代でいうならば「投資」ということになりますね。

今回のように新型コロナで景気が後退しているときや、それに伴う今後の世界経済の先行き、少子高齢化の流れをみていると、日本でも将来自分たちが生活に十分な年金をもらえないという危機意識が根底にあるのは私も同じです。

そんな今に通じる資産運用の基本を説いた古代の知恵の言葉として、次のものが最も心に響きました。

人間にとって財産とは、財布の中に持っている現金ではない。しっかりした定期的収入こそが財産だ。財布の中に耐えず流れ込み、いつも中身をふくらませてくれる金の流れ。絶え間なく入って来る収入こそが大事なのだ。

その金の流れを作るために、古代バビロニアで実践された方法が「人にお金を貸して利息をとる」「商売や産業に投資する」の2つでした。

どちらも古典的ですが、まさか紀元前の古代から続けられてきた方法だとは驚きです。

投資をするときは知識と経験のある人間に「教えを乞う」こと

とはいえ、ただやみくもに投資やお金を貸すことは勧められません。

経験や知識がないと、だまし取られたり、貸したり投資した先が倒産する危険があるからです。

そうしたリスクを最小限に抑えるために、

「知恵のある人間に相談することが大切」

と、古代バビロニアをお金持ちは説いています。

現代ならフィナンシャルプランナーに相談したり、ネットや講習会で知識武装して挑むという形になりますかね。

労働の喜びを知ること

バビロンの大富豪の教えの多くは「お金を貯めること」「お金を働かせる方法を知ること」に割かれていますが、実は一番大切なのが「働くこと」なのだとも説いています。

将来、自分のためにお金を生んできてくれる「種金」を作るためには、まずは自分自身を元手にして稼がなければいけません。

それは肉体労働であったり、事務労働であったりと、人によって様々です。

そこで一生懸命働いて稼いだお金の中から「十分の一」だけを必ず残して貯めていき、一定レベルまでいけば、後はそれを運用に使うというのがお金持ちになれる黄金の方程式ということ。

さらに「働くこと=仕事への意欲をもつ」ことで、多くの素晴らしい人と出会える機会を得られるということ。

本書に出てきた最後の章のバビロンのお金持ちは、自分がかつて奴隷の身分だったこと、そこから抜け出すために懸命に働き、自由民の身になったこと、そしてその大きなきっかけを作ってくれたのは、懸命に働いていたときに出会った人だったということが、多くの逸話を挟んで書かれています。

環境によって「働くこと」への感情は異なるものです。

毎日の生活が厳しい人は「苦行」でしかないこともあると思います。

しかしどうせ働かないといけないのであれば、そこに「やりがい」や「喜び」を見つけることで、同じ時間を少しでも有意義なものに変えることもできるかと思います。

ただ漫然と働くのではなく、その労働の中で工夫をして少しでもお金を多く得たり、効率よくこなすために知恵を絞ることで結果はついてきます。

そしてそういう過程は必ず周りの人間は見ているものです。

自分自身の大切な時間をどう使うか。

労働は多くの人間にとって最も長い時間を過ごす時。

そこでの使い方、そこで得た知識や技術、そして人との関りが、後に自分の糧になるのだということを、このバビロンの大富豪は自分の経験に照らし合わせて語っていたのでしょう。

単にお金を生み出して運用するだけの守銭奴ではなく、お金の背景にある人間の営みを体をもって知ることで、潤ったお金を社会的に有意義な事業や投資に廻すことができるのです。

まとめ

この本を読む前と読んでいるときは、まさかこの本の内容が実際にあったことをそのまま翻訳したものだということを知りませんでした。

あとがきと途中のコラムを読んで、1930年代にバビロンの地(今のイラク南部の一部)で発見された大量の粘土板の内容がまさにこの本そのものだったということ、後にアメリカにも伝わってビジネス書のベストセラーになって、現代でも多くの人に読み続けられていることに驚きました(2008年の米国アマゾン書籍売り上げ「個人資産部門」で11位

紀元前600年以上前の古代で起きた人の営みが、数千年たった今でもその真理の多くが通用するということもそうですし、古くから人間というのは変わっていないのだなあという(少しでも楽をして稼ぎたい)半ば呆れた気持ちもあります(笑)

そんな古代からの貴重な教えをまとめた本書は今でも十分に読むに値すると思いますし、ことあるごとに読み返して自分自身に喝を入れたいという思いにも駆られます。

今回紹介した内容は本書のごくごく一部にしかすぎないので、資産運用に興味のある人は、ぜひ購入して読んでもらえればと思います。

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