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ホラー・カルト

【ドクタースリープ感想】シャイニングの続編と愉快な仲間たち

2019年12月2日

シャイニングの続編ということで、期待して観に行きました。

ホラー映画の金字塔的な作品の前作があまりにも自分的に怖かったので、その続編を見ずにいられようかと。

しかも子役のダニーが成長してからの話になっていると聞きましたからね。

クレイジーな父親のジャック・ニコルソンを倒した後のダニーの人生はどうなっているのか・・

鑑賞した結果は、ブログのタイトルにあるように非常に良かった。

もっとシャイニング的な心霊ホラーが展開されるのかと思ったら、それ以上の超能力アクションもありましたからね。

あとで書きますが、もう色んな自分の好きなアクションホラー系の映画の見所が満載的な感じで、最初から最後まで目が離せません。

もちろん前作へのオマージュもきちんとあり、それがまたすごいというか、最後のオチまで笑わせてくれるというか・・

と、そんな感じで全体の感想はここまでにして、そろそろ中身のレビューを語っていきましょう。

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ホスピスでのダニーと猫の行動に泣いた!

まずは簡単なあらすじを。

前作から40年たった2010年代、幼いころに惨劇を体験し、母親と共に南の地域に引っ越して穏やかに暮らしていたダニーは成長し、50がらみのおっさんになっていました。

あんなに可愛かったダニーも父親の性質を継いだのか、すっかり立派なアル中親父になっていて、酒と喧嘩と女とヤクに溺れる始末です。

看護助手という仕事もやっていたが、生活の乱れで転々としている感じで、そのときも流れ流れてある街にたどり着きました。

その街で新たな仕事について8年間、静かな生活を送ります。

その中でたびたび訪れる異変。

そしてそれはついにある少女との出会いで劇的な変化をもたらすのです。

ダニーの運命は再びあの”惨劇”のあった冬のホテルに向かっていくのでした・・・

超簡単に書けばざっとこんなストーリーです。

実際は、ダニーと少女の出会いの前に、謎の悪魔的なカルト集団の犯罪行為も描かれていて、こいつらとの対決が中盤以降のX-MENばりの超能力アクションにつながっていく伏線になっていきます。

とりあえずダニーですが、かつての少年を演じているのがユアン・マクレガー

この人がかなりハマり役でした。

冒頭の酒場で暴れるシーンとか、酒場で出会った見ず知らずの女の部屋で起きて「ハッ!ここはどこだ!俺は何を?」的なお決まりの朝帰りパターンとか、金がないので女の財布から抜き取ろうとするところとか、橋のふもとでホームレスのように眠りこけてる姿とか、完全なるダメ人間ぶりが堂に入っていました。

物語的には、ダニーが生まれつきに人間的にクズだから、そうなったのではないというところが悲しいところです。

自分に備わった不思議な力。

それを餌にしようと近づいてくる、あの世の亡者ども。

そしてあの40年前の冬のホテルでの惨劇・・・

すべてがトラウマとなって、ダニーの心を蝕んでいる感じでした。

そしてそのやり切れない「切なさ」を、マクレガーはすごく上手く表現できていたと思いましたね。

誰かの心を癒す存在になったダニー

序盤で心が和まされたのは「猫」の存在。

ダニーが新しく雇われたホスピス(死を目前にした患者の専門病院)で廊下を掃除していたところ、病院で飼われている猫が勝手に患者の病室に入っていきます。

それを見たダニーが後を追いかけると、猫はちょこんと患者の寝ているベッドの上に乗っかっていたのでした。

「こらこら」といって猫を引き離そうとすると、寝たきりの患者は「いや、いいんだ」とダニーを止めます。

「きっとこの猫は知ってるんだろう。私の死期が近いことを」

そういって、患者は迫りくる死への恐怖をダニーに打ち明けます。

地獄があるとは思っていないこと。

美しいあの世に行きたいこと。

最も恐ろしいのは、死後に「何もない」こと。

そういってダニーの手を握るのでした。

ダニーは「心配しないでください。ほら、あの歌が聞こえてきますよ」

そういって、患者の母親が作ってくれたお菓子などについて語ったり、昔の思い出や好きだった歌を一緒に歌うのでした。

ダニーは子供のことからの自分の特殊能力を使い、患者の心の中に入って、その思い出を引き出していたのです。

そうすることで患者は安心し、死後の不安を癒していたのでした。

その後も、猫と一緒にダニーは死を目前にした患者の心を癒していきます。

この一連のシーンが作品で一番感動したところでした。

あとのX-MENばりの超能力戦や残酷なカルト集団の所業などと比べれば、ひょっとしたら、このシーンこそが監督やキングが描きたかった場所なのかもしれません。

ユアン・マクレガーはそれを優しく、慈愛のある目で演じていました。

他のどのシーンよりも、私はこのホスピスのダニーと猫のやり取りが好きです(何よりも猫が可愛かった!)

魂を抜き取るカルト集団の怖さ

ダニーが光の側だとしたら、闇の側は「謎のカルト集団」

この集団の実態は映画では詳しく語られていませんでしたが、要は「人の魂を抜き取って、エネルギー源にして長い時を生き抜いてきた存在」。

とくにネーミングはなかったのですが、まあ「吸血鬼」のようなものでしょう。

吸い取るものが血ではなくて「魂」というのが、ヴァンパイアと違うところ。

この抜き取り方がまたえげつなくて、痛みを与えることで生体エネルギーが美味しくなるので、捕まえた人間は最大限の苦痛を与えながら「魂抜き」をするところが最悪です。

そして最も「これはあかんやろ!」と思ったのが、野球少年を拉致して工事現場で「魂抜き」をするシーン。

詳しくは語りませんが、まるで拷問のような残酷なシーンにさすがの私も目を背けてしまいました(レビューでも批判が相次いでいます)

決してエゲツナイ場所を見せるわけではないですが、少年の泣き叫ぶ顔にそれがありありと見て取れるのが恐ろしい。

でもこれって多分ですが、実際にアメリカで多発している少年の誘拐であり得ることだと思うんですよ。

それは快楽殺人であったㇼ、カルト宗教の儀式であったり。

子供に対する残酷なシーンが批判されるのは欧米では分かり切っていることなのに、あえてそれを流したということは、そういう犯罪の恐ろしさを映画を通じて警鐘を鳴らすことに意味があるんじゃないかなと、鑑賞中に思ったわけです。

帽子姿も麗しいレベッカ・ファーガソン

吸血鬼のような悪のX-MEN集団の首領はレベッカ・ファーガソン演じるハット・ザ・ローズ

その能力は他のメンバーよりも抜きんでていて、瞑想によって遠く離れた場所を透視して、相手の頭の中に入り込むことができるというもの。

きちんとエネルギーチャージをすれば「傷も治る」という超人ぶりもすごいです(これは他のメンバーも同じでしょうが)

彼女の凄さは映画を見れば分かるの、ここではあえて言いませんが、自分が言いたいのは「演じるレベッカの美しさが相変わらず」ということ。

この人は「ミッション・インポッシブル」シリーズ2作と「グレイテスト・ショーマン」で好きになった女優さんで、その上品でチャーミングな美しさにたちまち虜になってしまいました。

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年は30を越えていて若くはないですし、今作でもアップの表情は皺が目立ったりして、さすがに「ぴちぴち」という綺麗さではありません。

でもちょっとした仕草や首の傾げ方、笑顔の見せ方などは、本当に魅入ってしまうんですよね。

たぶんこれは顔そのものの美しさというよりも、俳優としての演技の上手さにも関係してるのかもしれません。

そんなハット・ザ・ローズも最後はホテルで哀れな最期を迎えてしまうのだから、”やつら”は本当に侮れませんね。

最強のX戦士になった超能力少女

子供の頃からスプーンを天井に張り付かせるなど、たぐいまれなるX能力を見せてきた少女。

彼女がダニーとの交流を持つようになるのは、野球少年がハット・ザ・ローズの一団によって襲われたシーンを脳内で察知してからです。

正義感に駆られた少女は、少年の死体を探し出し、両親のもとに届けることを決心。

そのために同じ街に住む能力者のダニーを発見し、協力を仰ぐようになるというのが、彼女の映画上での役割です。

ダニーの能力は長年の不摂生とトラウマからさび付いていましたが、少女のそれはハット・ザ・ローズをもしのぐほどの強大さです。

ダニーとのコンビは終盤近くで本格化するのですが、手を取り合って敵と戦うというよりも、空間を越えた異次元でつながりあうところが面白い。

敵に罠を仕掛けるときに少女はその場にいなくて、3D映像のような自分のコピーを見せてかく乱するというのは、驚かされたし見ごたえがありましたね。

あと自分の体をダニーに乗り移らせるときは、目を白目にするのもビジュアル的に良かった(車の中で少女に乗り移ったダニーが、アル中親父の発言するのは面白かった)

最後のホテルの戦いはダニーとハット・ザ・ローズとの一騎打ちになるのであまり出番はないのですが、映画の最後に霊体化したダニーが少女の前に現れて助言するのをみて「オビ・ワン・ケノービや・・」と感激してしまったのは、おそらく自分だけではないはずです。

能力者のジェダイ化は進む!

ダニーが惨劇のあったホテルで出会った黒人の管理人は、前作でも「君と私がもっているのはシャイニング(超能力)なんだよ」と語っていました。

数少ないダニーと母親の味方だった人ですが、哀しいかな、狂ってしまったダニーの親父(ジャック・ニコルソン)の一撃で死んでしまいます。

その後は霊体化したままダニーの前に現れ、悪霊を封じ込める箱をプレゼントするのです。

悪霊が現れたら、頭の中にある箱の蓋を開けるイメージするだけで、やつらはそこに封じこめることができるという、まさに魔法の箱。

これを見た時は「ドラゴンボールでピッコロ大魔王を封じ込めた電子ジャーみたいなものだな」と考えて知ったDBファンは私だけではないはず笑

そんな秘儀を伝えた師匠の管理人はまさにジェダイ・マスターでしょう。

パダワン(見習い弟子)だったダニーがジェダイ(騎士)になる瞬間。

その後のダニーはバスタブに住んでいる腐った女を箱に封じ込めることに成功し、悪霊に煩わされることもなくなりました。

そんなダニーもホテルでの戦いの後は霊体化し、少女のもとを訪れます。

かつて自分が管理人に受けた教えを少女に伝授していくのでしょうか?

これぞまさにジェダイの伝統というやつですね。

そういえばマクレガーはSW映画でもオビ・ワンだったから、本当にこの人は師匠に向いている俳優さんですね。

恐ろしいホテルの住人たち

最後にあの「ホテル」に巣食う悪霊たちです。

前作でダニーを苦しめた悪霊ども(双子の少女、バスタブの女、ドアマンなど)は、惨劇の後もダニーの後をついてきて永らく彼を苦めましたが、管理人伝授の箱によってダニーの脳内に封じ込められていたのでした。

唯一、ホテルに残っていたのは、かつての父親。

ジャック・ニコルソンが演じたクレイジー・ファーザーです。

ホテルに憑りつかれて狂ってしまい、自分の妻と子供を殺そうとして最後は迷宮の中で凍死した姿で発見されるのですが(あのシーンは怖かった)、その後は順調にホテル霊の仲間入りを果たして、今や押しも押されぬ二代目亡霊バーテンダーになっています。

このバーのシーンは映画の中でもかなり好きな部分ですね。

あの懐かしい大広間のダンス会場のかたすみのバーカウンターで、かつて40年前にニコルソンが亡霊バーテンダーと話していた場所で、今度はその息子が父親と語っているのですから。

最初は「父さんだろ?」というダニーの問いにもすっとぼけていますが、最後になって本性を露します。

「家族は男の人生を狂わせる。酒はそれから逃れるための薬だ」

色々と理屈を述べていたのですが、要はこの一言が父親の本音だったわけです。

相変わらずの無反省ぶりにダニーも呆れて言葉が出ません。

「飲むか、飲まないのか」

ダニーの前にグラスを置いて強要しますが、ダニーは断り、父親譲りだったはずのアル中から真の意味で解放されたのでした(たぶん)

ちなみにこの父親役の俳優さんは、ジャック・ニコルソン本人ではなく、別の俳優さんです。

おそらくCGも使って顔の映像を加工もしていると思います。

他のホテルの悪霊ですが、ダニーの脳内の箱の中に封じ込められたままとはいえ、最後には「あること」で出てきます。

そのいきさつは説明しませんが、まあ最後は総出演で豪華でした。

懐かしい顔、顔、顔。

思い出したくない顔がぞろぞろと(笑)

双子の少女も相変わらずでしたね。

映画の最後には少女の家にバスタブ霊が出現します。

少女が浴室の扉を閉じたのは、かつてダニーが行った「箱」の儀式をするためでしょうか。

となれば、やはり少女はダニーの新たな弟子となったわけですな。

X戦士のジェダイ伝説は続く・・・

まとめ

心霊ホラーから始まって、猫が出てきてほろりと泣かせる感動シーン、X-MENばりの超能力バトル、ドラゴンボール世界の悪魔封じ、スターウォーズのジェダイ的な師弟関係など、まさに自分が育ってきた「好きな映画とかアニメ」の総出演という感じで見所満載だった「ドクタースリープ」。

タイトルの「ドクタースリープ」はダニーが働く病院で、患者が「あんたは医者の先生じゃないけど、私たちが眠るように静かに旅立つのを手伝ってくれる」という意味でつけたのですが、中盤以降にはほとんど意味のない名称に変わっていたのも乙なものです。

それくらいに色んな要素が詰まった作品ですが、自分的には大満足でしたね。

なにせスターウォーズ以来のユアン・マクレガー好きなものですから、この人が出ているだけでも全然OKです。

この人の声とか話し方がいいんですよね。

マイルドな感じで、永遠の青年という感じの若々しさが。

しかもジェダイ張りのバトルシーンや師弟関係の描写があるから、ますます目が離せませんでした。

ホラー映画に限定して、今作の全体の流れを喩えるとすれば「シャイニング⇒インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア⇒コンスタンティン⇒シックスセンス⇒シャイニング」的な感じになりましょうか。

エンドロールに前作のエンディングテーマが流れていたのも嬉しかったです。

あの静かで優雅な曲が、映画で見せられたクレイジーさと裏腹なギャップ加減がこれまたいいんですよ。

シャイニングファンにはもちろん、ホラーアクションが好きな人にもおすすめな作品ですよ。

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