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イジ―ルの洋楽・映画レビューブログ

【リベンジ・リスト】復讐のカタルシスを得られるのか?

2017年6月28日

観に行ってきました「リベンジ・リスト」!

大好きだった「ジョン・ウィック」に続く男の哀愁系ハードボイルド復讐アクションバイオレンスムービーを超期待して劇場に足を運びましたよ!

そこでなんと!

劇場の座席はトラボルタの復活を祝うように大勢の男女で溢れかえり、映画が始まるまで隣や後ろのカップルやご夫婦、友人同士が「トラボルタってさぁ」とか「今度の映画の見どころはねぇ」とか「俺すげえハードボイルドアクション期待してんだよね!」ととめどのない賞賛と期待の声ががあちらこちらから響き渡る熱気あふれた初日レビューの装いを・・・

ということは全然なく

ほとんど客のいない劇場の上の座席で、ぽつりぽつりとたまに入ってくる客を上から見下ろしながら、「最近おしっこ近いから、もうちょい出口付近の席にしたらよかったなー」とか言いながらスマホをいじる上映15分前のいつもの日常的映画鑑賞ビューが展開されているだけだったという・・・

いや正確に言うとですね、初日のその日はレイトショーで、最初は客に入りが悪いなー、このままだと5人くらいしか入らないのかなーと思ってると、あとでぽつぽつ入ってきて最終的には20人くらいにはなってましたから。(それでも20人か!)

しかも最初に入ってきてた客層は見事におっさんばっかりで(自分を含む)、これはすごいな、やっぱりこの手の映画は男が中心になるんかな、と思ってましたが、最後には自分の前の席にけっこう若い女性が一人で座ったのを見て「なんと女前な!」と驚きの声を内心あげながら、ちょっぴり「ほっ」とする自分がいました。

そんな感じで、実にもっさりと始まった「リベンジ・リスト」。

ではその中身はというと・・・

序盤は最高にエキサイティングでサスペンダブルだった

ギャングの抗争が激化するアメリカの某都市(撮影場所はオハイオ州コロンバスらしい)。

市長が特別警戒宣言をする一方、街の経済の立て直しを図るためにダム建設が進められていた。

そんな中で主人公のスタンリー・ヒル(トラボルタ)は新しい仕事の面接で赴いていたカルフォルニアから街に戻ってきて、妻のビビアンの出迎えを受けた。

二人仲睦まじく駐車場の車を止めてある場所にきたとき、突然背後から複数の男に襲われる。

スタンリーは頭を強く殴られて倒れ、妻は男のナイフで胸を刺されて命を失った。

深い失望の中で警察に赴くも、犯人とおぼしき人物を特定できたにも関わらず、警察は男を見逃す。

これを不審に思ったスタンリーは、昔の相棒に協力を求め、二人で独自の調査を始めたのだった。

その先にあったのは・・・

ここからスタンリーの復讐劇が始まります。

まず妻を刺した男の仲間の居場所を突き止めて、次々と報復を開始。

そしてついに実行犯を捉え、復讐を遂げるのですが、そこで事件の背後にある闇を同時に知るのです。

それは妻であるビビアンが従事していた、市の事業が深く関係していたということ。

それは・・・

とまあ、このあたりはネタバレになるのであえて公表しませんが、まあそんなに驚くべきネタでもありません(笑)

というか、話が進むにつれて「あーそういうことねー」と簡単に読めるから。

この手の映画は主人公の復讐劇でいかにカタルシスを得るか、というところに鑑賞の肝があると思うので、むしろ後半の政治劇みたいなのは邪魔な感じがありましたね。

観客の多くは、ジョン・トラボルタが過去の凄腕な時代を封印して妻のために平和な日々を過ごしていたという、まさに「ジョン・ウイック」な展開を見たくて劇場にまで足を運んだと思いますし、愛するものを奪われて、再び過去の自分を呼び起こして「お前ら、許さねえぞー!」的に復讐を遂げていくシーンが見たくて見たくて劇場に駆け付けたおっさん達の求める「非日常感」が満足できれば、それで映画の成功は間違いなしだと思ったんですが・・・しかしその期待は・・・

中盤から、普通に裏切られました。

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相棒役がすべてを物語る

まず何が悪かったといって、スタンリーの相棒役。

スタンリー頼まれてギャングどもの身元を調べる仕事を引き受けるのですが、実はスタンリーと同じ元特殊工作員で、現役時代はスタンリーとタッグを組んだ経歴あり。

そのときの縁で再び二人はチームを組んで悪党どもをバッタバッタとなぎ倒していくのだけど、なにせこの相棒役のおっさんが「90年代ノリ」過ぎたという。

90年代といえば、アーノルド・シュワルズネッガーやシルベスタースタローンが活躍した80年代後半の筋肉ムキムキアクション時代の余韻がまだ続く年代。

80年代はもっとシンプルな「俺はヒーローだぁ!」的な一本気キャラ設定が中心だったんですが、90年代になると、単なるアクションムービーでも、登場キャラはニヒルでクールなんだけど、ときどきジョークを飛ばして軽口かます余裕が男のマナーなんだよ的なノリにほんのりシフトチェンジした時代。

そのいかにも当時のキャラ設定を煮しめて型にあげたような俳優さんが、今回の映画の主人公のバディだったというわけで・・・

いや決して悪い俳優さんではないのですが、もっとこう、ジョン・ウィックのような全体的にハードボイルドでシリアスでバイオレンスなノリを期待してたので、この相棒役の妙に軽口をたたくキャラが映画全体の雰囲気を変えたといいますか、主人公の復讐劇をよくあるアメリカアクション娯楽ムービーの一つに貶めてしまったといいますかね・・・

もちろん最後に至るプロットが良くないのもあります。

個人的な復讐が、より巨悪の打倒に変わってしまったために「よくあるセガールのアクション映画」に成り下がってしまった悲しさ。

社会的な巨悪というのは、聞こえはいいのですが、もっと掘り下げた巨悪にしないと、この映画のような浅い「小悪」では、逆にショボく見えてしまうんですがね?

配役はいいのだが・・

勧善懲悪の映画においては、ヒーローが燦然と輝くために悪党が活きていないといけません。

しかしこの映画では、悪徳市長(すでにこれでネタバレだ!)、悪徳警官、悪徳ギャング、悪徳ギャングの手下の悪徳チンピラ・・見た目はそれぞれいかにも「悪徳」ヅラしていていい感じなのですが、それぞれの掘り下げが浅いのです。

特に悪徳警官のギブソン刑事は男前だけに惜しかった。

もっと悪徳な所業を行ってくれると、より主人公との対比や憎しみが高じていって、最後の対決ぶりがより光って見えたと思うのですが、そのへんの悪徳ぶりが非常に中途半端で、これでは本当に単なる市長の使い走りではないですかと。

相棒役の黒人刑事はなかなかの曲者でしたが、画面上での重みは明らかに序盤からギブソン刑事に比重を置いてる感じだったので、最後の最後に生きてスタンリーのところに出てきたのが、黒人刑事だったのには腰砕けになりました。

一方の悪徳ギャングたちは比較的良い悪徳ぶりだったので、こちらはギリギリ合格点をあげたいですね。

特にレミー・K。

アルメニア(だったか?)出身の新興ギャングのボスで、手下の指を切って食べるという、かなりサイコパスなキャラで非常に恐れられている存在で圧巻でした。

とはいえ、このボスもあっけなく最後を迎えてしまう悲しさ。

もっと残虐な所業を繰り広げてくれていれば、見ているこっちの怒り心頭度もマックスになって「そこいけ!そこやスタンリー!」と手に汗握るヒーロー応援団長と化すことができたのですが。

見た目と雰囲気がインパクト大なだけに、その最後の迎え方が実に残念(味方に裏切られる)。

一方のラスボスの市長はいかにも小物で、別の意味で非常に残念でした。

見るからに悪代官という役柄は良いのですが、最後の最後にあの展開は、あまりにも90年代シュワちゃん映画的な解決方法だろう?という感覚が残りまして。

素人が元特殊部隊員と正面切って殴り合うか?普通?と厳しい突っ込みを少々。

あ、これ以上はいえませんがね。

一方のリベンジする側のコンビや家族がこれまたリアリティがいまいち。

主人公スタンリーは街に住む娘家族がいながら、地元のギャングに喧嘩を売ったのはいいけど、その家族を守る策を講じずに、自分の娘とその旦那と子供が襲われるとか・・・

おいおい、あんた元特殊部隊員だろう?それくらいの事後策とか予防策とか練っていて当然なんじゃないか?と思い切り突っ込んでましたよ。

とはいえ、トラボルタは以前もリュック・ベンソンの「パリより愛をこめて」で破天荒すぎてリアリティなさすぎなCIAエージェントを演じてたので、今更という感じはしますが。(映画としては面白かったですが)

一方の娘も父親の過去を知らないはずなのに、いつのまにか父親に武器をそっと渡したりしてタフな一人娘を演じてるとか・・・こちらも色々と無理な設定がありすぎ満載という感じで(笑)

私の好きなニコール・キッドマンやナオミ・ワッツに似てるので、その部分はかなり魅かれましたがね。

そこに先ほど触れたスタンリーの相棒の90年代アクション俳優的な余裕かましの無敵キャラが、中盤から感じていた違和感をいや増しに増させてくれたといいましょうか。

これはひとえに製作者側の設定ミスというか、プロットのリアルさを無視してキャラ設定に走りすぎた無残な結果というか、かなり見ていて残念な感じはありました。

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まとめ

スタンリーのキャラクターは嫌いではありません。

「俺は怒りだ」というタトゥーもなかなかクールだし、往年のアクション作品で見せてくれた立ち姿、銃を撃つ姿も実にキマっておりましたから。

相棒役の俳優さんも、途中まではさんざん「それはないやろー」と90年代ぶりを突っ込ませてもらったのですけど、最後の最後にああいう救出劇で出てきたときは「おおー、やったー!」と喜んでしまいましたし。

続編もありかな?と思わせるエンディングもニヤリという感じで^^

そう思うと、監督の意図である「復讐劇でありながら、バディームービー(相棒映画)なんだ」というのも、最後になって胸にストンと落ちてきた感じはありますね。

ということで

この映画を見るときは、最後の最後までしっかりご覧ください、と。

中盤から終盤にかけては「えー、それはないやろー」的な突っ込みどころがバンバン出てきますが、最後の最後にカタルシスがズドーン!ときますので、それまで気を長くしてご鑑賞あれ。

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