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洋楽&映画メモランダム

愛と哀しみと狂気のインディアン・ランナー(The Indian Runner )

2005年6月21日

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昨日、夜中にたまたまケーブルテレビのムービープラスつけたら、「インディアンランナー」をやっていた。

はじめは何の映画かわからなかったんだが、途中でヴィゴ・モーテンセンが出てきてたので、思わず見入ってしまったのだ。

彼は「ロード・オブ・ザ・リング」のアラルゴン役以来、僕の好きな俳優の一人。

この映画の中でも格好いいヒーローの役なんだろうな、と思っていたら・・・


PTSD(心的外傷後ストレス障害)を負った帰還兵の物語

ヴィゴはベトナム戦争から帰ってきて精神を病んでしまい、なかなか世間になじむことができずにいる弟の役。

警官である兄(デビッド・モース)がこの弟をなんとか社会に復帰させようとするのだが、結局叶わず、最後に人を殺して逃げてしまう、というのがだいたいのストーリーだ。

1991年に製作されたこの映画の監督は、自身も俳優でもあるショーン・ペン。

出演者もチャールズブロンソン、デニス・ホッパーといった有名どころが顔を並べている。

特にデニスホッパーは、「イージーライダー」を彷彿させるような軽く切れた役柄で出演して、脇役ながらなかなか心に残る死に方を見せてくれた。

主役の一人であるヴィゴ・モーテンセンも、「ロード・オブ・ザ・リング」とは違って、危険なフェロモンを出しまくっている。

特にあの怒った時の目つき。

北欧出身者らしく、奥ばった目元でじっと鋭く見つめられたら、そりゃ男の僕でも小便ちびっちゃいます。新妻役のパトリシア・アークエットが、あの狂気じみた顔を見てびびるのも分かる気がした。

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狂気の様相を徐々に展開していく弟を救わんと、兄や妻や懸命に手助けするのだが、それもかなわず。

戦場という狂気が支配する場所で、もともと繊細だった弟(ヴィゴ演じる配役の名前を忘れたので、これでいかせてください)は精神の深い所を傷つけられ、帰国してからはさらに兄との比較を自らの中で感じてしまい、さらに自信を追い詰めていく。

自分も必死で立て直そうとするが、どうしても葛藤を押さえることができない。 だから俺は・・・・

といった感じだろうか。

切ないエンディング

世間と向き合って折り合いをつけていく兄貴と、向き合おうとするけども、結局は目を背けて逃げてしまう弟の哀しさが胸に響いた。

この弟と「ミリオンダラーベイビー」のクリントイーストウッドの最後が似ているな、と思うのは僕だけだろうか。

結局最後までわからなかったのは、弟が時々幻影で見る白塗りの裸男。

一瞬、「うわ!暗黒舞踏か!」と思ってしまったぐらい、不気味で意味がわからない存在だった。 何かと寓意を示すのだとは思うが・・

映画のラストを哀しく揺さぶる、ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」が秀逸。


Janis Joplin - Summertime

感想の追記

【2013年12月】

この映画で共演したデニス・ホッパーとウィゴ・モーテンセンは、その後ともにオランダ旅行に出かけたりと、すっかり意気投合したと言われている。

モーテンセンはその後、しばらく作品に恵まれ無かったが、前述のロード・オブ・ザ・リングで世界的スターの仲間入りをした。

撮影で海外に長期滞在する必要があったため、最初は作品の出演を断っていたが、指輪物語のファンである長男から熱心に説かれ、オファーを受けたという。(2013年12月の現在では「偽りの人生」という作品が彼の最新作のようだ。アルゼンチン映画というから、スペイン語が堪能なモーセンならではの選択だろう)

【2019年9月】

最初にこの映画の感想を書いてから10年近く経った。

デニス・ホッパーは2010年に亡くなったし、モーテンセンは世界的スターになった。

昨年(2018年)は「グリーンブック」という作品で素晴らしい評価を得ている。

私も映画館に鑑賞に行ったが、とても爽快な気分になれる気持ちの良い映画だった。

モーテンセンは気の良い下町マフィアの役柄だったが(実在の人物)、絵も知れぬ無敵感と人間の滲み出る優しさを同時に感じさせてくれる俳優さんというのは、この人以外にあまり見たことがないような気がする。

そんな内面の深さが、20年前の「インディアン・ランナー」の頃から変わらずに彼の芯の部分にしっかり根付いていたんだと思う。

グリーンブックでモーテンセンの爽やかさを見た後は、もう一度この映画で彼のもう一つの原点である「狂気」に触れてみようか・・

I happened to watch this film on TV a few years ago, even after finishing watching, I found it difficult to judge whether it's good or not. I still don't understand why the white painted man appereared at the end of the film.

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