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ジェレミー・ブレットのシャーロック・ホームズは最高だった!

2010年1月18日

加入しているケーブルTVのミステリーチャンネルで放映している「シャーロック・ホームズ」シリーズが、今かなり面白い。

この番組はもともと、イギリスのグレナダTVが1985年から1995年まで放映していたもの。日本でもNHKが放送していたのを覚えている人も多いだろうと思う。

私も高校から大学にかけて、ときどきこの番組を見ていたことがあったので、あらためてケーブルで再見することができてかなり幸せなのだ。

NHKは韓流が流行るまでは「ダーマ&グレッグ」や「ビバリーヒルズ青春白書」など、私の好きだった優れた海外ドラマをよく放送してくれていたので、なかなか印象が良い。

さて、このTV版「シャーロック・ホームズ」だが、主演のジェレミー・ブレットさんのものが、現在あるホームズものではずば抜けて人気が高いといわれる。

原作にもっとも忠実だと言われているのがその理由だとか。

他のホームズものをみたことが無いので何ともいえないが、この人のホームズは、私が中学時代に学校推薦図書で読んだコナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズのイメージそのもの。

まさにキング・オブ・ホームズだ。

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グラナダ版ホームズ・シリーズ

番組を制作するときにはかなり細部にこだわったらしく、たしかにその努力が映像の中に随所に出ている。

調度品や田舎の風景など、まるでその時代に撮影したのかと思えるぐらいに徹底した造りこみ具合。

これが映画ではなく、TVシリーズというところに英国人の誇りが見えてくるのだ。

それにしても主演のジェレミー・ブレットのホームぶりは、もう本人かと思えるくらい。

気品があって知的、それでいて神経質な名探偵を完璧に演じきっていた。

設定上のホームズは多少性格的に問題があったように描かれているが(奇人・変人という意味で)、ジェレミー本人もうつ病に悩まされていたというから、ひょっとしたらホームズの性格が演じるうちに、病が移ってしまったのかもしれない。

撮影の後期にはホームズ役を演じるのが嫌になって、自分で髪の毛をばっさり切ったという逸話も残っている。

確かに最後のほうのジェレミーは目つきが少し怖かった。

薬の副作用のせいか、顔もむくんでいたのが見ていて痛々しかった。

相手役のワトソンは2役いて、初期の俳優さんよりも、後期のエドワード・ハードウィックのほうが評価が高い。

このエドワード演じるワトソンも、これまた小説のイメージどおりのワトソンで、誠実でお人よし、不正を許さずまっすぐで友想いな性格だ。

19世紀のイギリス人らしく、植民地であったアフガニスタンに軍医として赴任し、現地で負傷して帰国後、ロンドンで医者として生活するために探していた下宿先でホームズと出会う。

奇人変人のホームズと違い常識人のワトソンは、ルームメイトであるホームズが麻薬を吸ったり、銃で壁を打ち抜いたりするのを見て、さぞかし驚いたことだろう(笑)。

なおNHKの放映分では、このホームズの悪癖はカットされているとか。

こうした放送での表現一つにしても、冷徹なまでに現実主義の英国人と理想主義的なところのある日本人との文化的な違いが出ていて面白い。

世界最高の探偵と世界最高の相棒との痛快ストーリーは残念ながら1995年で終了した。

製作陣はコナン・ドイルの小説どおりに最後の話まで撮影しようとしていたらしいが、肝心の主演俳優ジェレミーが亡くなってしまったからだ。

ACTOR JEREMY BRETT DIES AT 59

撮影後期から精神的に病み、入退院を繰り返していた彼は、95年の9月に心不全で亡くなってしまう。

世界最高のホームズ俳優は永遠の眠りについたのだ。

現在でも世界中に多くのファンがいるジェレミーのホームズは、今も記憶のかなたに消えることなく画面の中でワトソンとロンドンを駆け巡っている。

ホームズを愛する人々

このブログ記事を書こうと色々調べているうち、本当に多くのホームズファン、それジェレミーのホームズを愛する人がいることを知り心を打たれた。

ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る

芸術家は死後に高い評価を得るというが、ジェレミーは生前も死後も、多くの人を魅了し続けているのだ。

死後15年経ってしまったが、東洋の片隅で未だあなたの演じたホームズを見続けている一ファンがいることを、どうかあの世で知ってもらえたらと思う。

最後に

最初は軽い感じで書くつもりだった「ホームズシリーズ」だったが、書き進めるうちに思わず心が入ってしまった。

私の青春時代の一ページを飾る番組だし(ダーマ&グレッグとともに)、主演俳優が亡くなったという事実も、心が動かされた要因かもしれない。

シャーロック・ホームズそのものも非常に魅力的な物語で、舞台設定が19世紀にもかかわらず、現在の探偵ものや刑事ものに負けずとも劣らない、ワクワクドキドキのサスペンス・ストーリーなのだ。

加えてあの当時の英国の雰囲気!

ゆったりとして気品がまだ残っていた時代の風景がたまらなくいい。

昔イギリスへ旅行に行ったことがあって、そのときヨークやエディンバラの町で同じような感覚を覚えた。

古くて重々しいが、どことなく格調が高い町の風景。

肝心のベイカーストリートは行かなかったが(笑)。

今思えば行っておけばよかったと、かなり後悔しきりである。

ロバート・ダウニージュニア版ホームズ情報(2009年)

ホームズファンには嬉しいことに、ここ数年でシャーロックホームズの映画化が立て続けにされている模様!

ホームズ演ずるのは、あの怪優というか名優といったらよいのか、私的にはあの迫力のある人を食った目が大好きなロバート・ダウニーJrだ。

彼は昔「チャーリー」という映画でチャップリンを見事に演じたことがあり、そういう意味では今回のホームズ役はかなり期待できる。

しかし一方で、このブログでも取り上げた「トロピック・サンダー」で見せた怪優ぶりを発揮しすぎて、くれぐれもホームズファンを怒らせないようにして欲しいと切に願うのみである。

【トロピック・サンダー】大爆笑!自分史上における最強のコメディ映画!

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ベネディクト・カンバーバッチ版ホームズ(2010年)


BBCテレビドラマの『シャーロック』が人気を博しているようだ。

人気俳優ベネディクト・カンバーバッチによる現代によみがえったシャーロック・ホームズと、ホビット主演のマーティン・フリーマン演じるワトソンのコンビが新鮮で面白い。

こうやって新しい時代のホームズがどんどん出てきて、ファンとしてはとても嬉しいことです。

エドワード・ハードウィック氏の訃報(2011年)

一方、ワトソン役のエドワード・ハードウィックも、2011年にこの世を去った。

享年78才だった。

Edward Hardwicke obituary

最初にこのブログ記事を書いたときはまだ在命中だったが(2009年)、再編集のために調べてみてそのことを知って驚いた。

私の青春時代に大きな足跡を残した名優の冥福を祈って、今夜は杯を捧げたい。

追記:ホームズ本の情報(2024年2月)

グレナダ版ホームズドラマと、主演のブレット氏を深堀した書籍が去年(2023年11月)に出版されていた模様。

ブレット氏の自伝ではなく、あくまで「評伝」という形のようで、ドラマ制作の裏話やブレット氏自身のインタビュー発言など、ファンならたまらない豊富な内容になっているようです。

アマゾンレビューでも高評価になっています。

Xでも呟きましたが、私もファンの一人なので、この本はぜひ購入したいと思っていますよ。

ファンの方ならぜひチェックあれ。

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シャーロック・ホームズの洋書オーディオブックレビュー

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