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イジ―ルブログ

「世界のエリート投資家は何を考えているのか」感想とまとめ

2020年6月15日

世界中の多くのファンをもつ起業メンター・コーチのアンソニー・ロビンズの書籍レビューです。

投資を行っている知人に勧められて読んだのですが、これがなかなか読みごたえがあって勉強になりました。

投資や資産運用に関してはずぶの素人なので、正直中身の半分くらいは外国語を読んでいるような感じでなかなか理解が及ばない部分が多かったのですが(苦笑)、それでも著者の言いたいことの「コアな部分」は十分に伝わってきました。

あとは彼がこの著書の目玉にしている「超大物投資家」のポートフォリオを公開しているところも驚きでした。

この本の良いところは、お金のプロやすでに持っている資産家に向けて書いた本ではなく、ごく一般の庶民にも役立つように編まれているところです。

私もそのうちの一人に入るので、具体的な方法はもちろん、資産運用に対するマインドセットという意味ですごく勇気づけられました。

内容量が濃いので私の理解が及ばない部分が多いのですが、その中でも自分にとって役立つと感じた、心に響いた部分を取り上げて本のレビューを書いていきたいと思います。





アンソニー・ロビンズが本書を書いたきっかけとは?

著者のアンソニー・ロビンズは1960年生まれのアメリカ人です。

幼い頃に両親が離婚し、貧しい家庭で育てられています。

家での折り合いが悪かったロビンズは17歳の時に家を出て、それから二度と戻らなかったといいます。

彼が成功したのは、生活のために就いていた清掃業の傍らで成功哲学や心理学の本を読み、それについての講演を行うようになったから。

「何とか自分を変えたい」と思い、それまで好きだった読書をさらに加速させ、心理学、時間管理、歴史、哲学、生理学など700冊以上の本を読破し、これが彼の後の成功の礎になったのでした。

貧困と労働、そこから抜け出すための知識の習得、生来もっていただろうコーチとしての資質とエンターテイメント性が話題を呼び、講演は常に満員、出版した本はベストセラーになるほどの人気を獲得します。

今や世界中で起業についてのセミナーやモチベーションアップのための講演会を開催して、多くのファンを獲得するに至っているのです。

ロビンズ自身も12の会社と非営利団体を経営しており、そうした実務面の経験がさらに彼の説にリアリティをもたせています。

今や資産数千万ドルの大富豪になったロビンズが忙しい講演(大金を稼げる)の合間を縫って本書を書くことになったきっかけは、2008年に起きたリーマンショックで多くの人が失業し、家を追われる現状を目の当たりにしたからだということ。

自身も貧しい家庭で育ったので、貧困に苦しむ人々を見て「なにかできないか?」と感じたといいます。

そして導き出したのが「誰にでも実現できて、生涯生活するのに困らないような資産の運用方法」を提示したい、ということでした。

そのためにロビンズは金融・投資界のカリスマ成功者にかたっぱしからインタビューして、彼らの言葉の中から共通性を導き出そうとしたのです。

さらにその中でも最も最強レベルといわれる大物レイ・ダリオに「黄金のポートフィリオ」の内訳を聞き出したことが、本書の最大に目玉になります。

【レイ・ダリオ】

運用総額は16兆円と世界最大のヘッジファンド「ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ」の創業者。

どのような市況環境であっても安定的な成績をだすオール・ウェザー型のポートフォリオを組成しており、リーマンショック等の不況時に底固さをみせている

(wikipedia「レイ・ダリオ」より)

もともと「ポートフォリオ」って何?という金融音痴レベルだったので(苦笑)、本書のこの下りを読み進めるのはかなりキツかったですが、ウィキペディアを駆使してギリギリに専門用語についていき、最後には「おおおお」と納得することができました(納得する振りかもしれませんが)

そんな「庶民にも役立つだろう資産運用の心得と方法」について、私が理解して文章に起こせる範囲のものを以下にレビューしていきます。

勝つよりも負けないための投資方法がベスト

良い大学を出て良い会社に就職し、昇進して自社株に投資し、退職後は年金生活で悠々自適という人生モデルはすでに古いものになっていると、ロビンズは断言しています。

これはアメリカに限らず日本でも同じことがいえるでしょう。

さらに今回のコロナで生活そのもののあり方が問われてる状態になっています。

ウイルス感染を防ぐためのテレワークをはじめ、対人接触を出来る限り減らすためのロボット化など、企業はこれをきっかけに大幅な人員削減と経営の合理化を図る流れになるだろうことは容易に想像できます。

そうなると必然的に会社に残れる人材とそうでない人材に分かれてしまい、収入の格差が出てくるのも自明の理。

これからは明らかに個々の人間が自分の力で人生や資産の構築を模索せざるを得ない時代になると感じます。

2020年より数年前に書かれた本書では、ロビンズは大物投資家にインタビューをし「個々の一般投資家がどうすれば資産を残せるようになるのか?」を訊ねています。

その中で序盤に挙げられたのが「消極的な方法で勝つことができる」ということ。

先ほど挙げた投資界のスティーブ・ジョブスことレイ・ダリオ氏の言葉です。

ダリオ氏はロビンズのインタビューに「株式投資は世界最強のプレーヤーを集めたポーカー・ゲームのようなもの」とし、「このゲームに勝てるのは一握りの勝者だけで、普通の人はこの投資ゲームに参加しないほうがよい」と語っています。

さらに「代わりに投資に長けた専門家にプレーしてもらうのも良くないアイデアだ。普通の資産運用アドバイザーは顧客を助ける知識も巨額の投資市場に参加できるだけのレベルも資産も持ち合わせていない高度な知識と高額資産を運用する投資のプロは、普通の人を相手にしない」とも付け加えています。

では普通の人がどうすれば株式市場で負けないようにできるのか?

ロビンズが食い下がると「消極的な方法でなら勝つことができる。投資先を多様化することだ。そうすれば株式下落リスクを分散できる」と答えています。

ここからがこの本の核心部分になるのですが、ロビンズはダリオ氏に「景気の良しあしに関係なく、金儲けができる大衆向けのシステムはあるのか?」と問い、ついにダリオはそれに口を開いたのでした。

しかしいったんはここで本書の流れは止まります。

後半でその実態が明らかになるので(商売が上手い!)、このレビューもそれに従って、ここから展開されるロビンズ氏のお金の哲学を追っていこうと思います。

コツコツ貯めて複利成長を狙う

巨額のお金が動く株式市場で戦うための資産も知識も持っていない庶民がお金を残そうと思うなら、「お金がお金を生むシステム」を構築することだ、とロビンズ氏は語ります。

いくら頑張って働いても得られるお金は「自分が働いている」間だけで、もし仕事を失ったり、何らかの事情で働けなくなったら、その瞬間にお金は入ってこなくなります(当たり前ですね)

そうならないために将来に向けて「貯蓄」をするのですが、さらにその貯蓄分を投資による「複利成長」で大きくすることを勧めています。

複利とは「元本だけでなく、利子が利子を生む」システムで、時間をかければかけるほど、元本だけが増える「単利」よりも額が膨らんでいく利点があります(元本、利子共に増える)

投資先としては、株式、不動産、商品取引、為替取引、収集品、仕組み債などが挙げられていますが、ここではその前の段階の「資産を貯める」ことに重点を置いていました。

・絶対に使わないお金を貯蓄する

・どうしても使ってしまうなら、給料から天引きにする(5%から10%)

・昇給分は貯蓄にまわすとかもあり

・自営業も同じように収入から貯蓄にまわす

ということを守り、それらを投資に回して「お金がお金を生むようにする」ということになります。

ただ貯蓄するだけならそれで終わりですが、そこから上手に投資できると、放っておいてもお金が増えるので後で楽になります。

さらにそれが利回りがよくて複利で運用できるものだと幸せが倍増!

この考え方は「バビロンの大富豪」で学んだものだとロビンズは語っており、奇しくも自分も少し前に本のレビューをこのブログでしたところだったので(⇒【バビロンの大富豪】資産家への第一歩!古代から伝わるお金の貯め方・増やし方レビュー)、本書を読んでも違和感なく読み進められるのはそのためだったのか、と納得しました。

長期運用なら株式投資(インデックス・ファンド)

貯蓄分の投資先としてどこが良いのか?という問いに対して、ロビンズ氏は「金融システムが仕掛ける地雷に気を付けろ」と警告しています。

その中でも「高い手数料」が最も地雷になっていて、顧客は知らず知らずのうちに各種名目で高額の手数料を支払されているといいます。

それが長期運用のファンドなら文字通り「長期に渡って積み上げられた手数料」で結構膨大な額を失っていることに気づくだろうとも語っています。

これは投資のみならず、保険などの金融商品でもありがちな話で、ちゃんと契約書を読み込まないうちに契約してしまうと、気が付くと「手数料」「違約金」やらのトラップが顧客の首を絞めている状態になっているというのは、我々の環境でもよくある話です(スマホの契約縛りもそれにあたります)

とはいえ、やはり長期運用で投資するならば、株式投資が最もよく、その場合には株価の変動リスクや手数料がかさむアクティブ運用ファンドよりも、コストが安く安全に運用できるパッシブ運用ファンド型のインデックスファンドがベストだ、と述べています。

アクティブ・ファンドとパッシブ・ファンドの違い

両者の違いは以下になります。

【アクティブ・ファンド】

運用会社やファンドマネジャーが独自の見通しや投資判断に基づいて、ベンチマーク(運用のターゲットにしている指標。国内だと日経平均株価、TOPIX)以上の収益を目指すファンド

【パッシブ・ファンド】

ベンチマークとなる銘柄に投資・保有して、値動きも連動する運用ファンド

「当社に投資すれば、市場平均を上回る利益が期待できます」というのがファンドセールスマンの常套句になっていますが、ここでもロビンズは「長期的に見ると、96%のアクティブ運用ファンドが、市場平均よりも低い利益率しか出せていない」としています。

個別株を買う代わりに低コストのインデックス・ファンド(パッシブファンド)を購入することで「株選びのプロに手数料を払う必要がなくなる」というのです。

「大切なことは長期的に勝ち続けられる」ということ。

こうした低コストのファンドを組み合わせて、どんな市場にも耐えうるような「オールシーズン(全天候型)のポートフォリオ」にすべきとも述べています。

このオールシーズン型のポートフォリオこそが、本書の後半に紹介されるファンドの帝王レイ・ダリオ氏の「黄金のポート・フォリオ」につながるのです(商売がうまい!)

黄金のポートフォリオとは?

本の中で何度も述べられてきたように、ロビンズ氏は「長期的に勝つための資産運用をすべき」と提唱しています。

そのための投資用の貯蓄であり、さらにそれをインデックスファンドなどの低コストな運用ファンドで複利成長を狙うべきだとしています。

他にも年金保険や債権(国債など)も保有してリスク分散を図るべしと書いてありましたが、ここではそれらを内包した「黄金のポートフォリオ」が登場します。

ポートフォリオとは、最大収益を得られるように、多様な投資形態を組み合わせたシステムのことです。

資産をどんな商品に何%の割合で投資すればよいのかが、資産運用には大きなポイントとなってきます。

投資の帝王レイ・ダリオ氏にロビンズが「読者が自分でも実行できる全天候型のポートフィリオを教えてくれないか」と頼み、ついに教えてもらうことになりました。

ではそれをどうぞ!

・・・と言いたいところですが、この部分はこの本の最大のセールスポイントであり、著者の渾身の想いを込めた核心部分になるので、その全容を語ることはできません。

もし知りたい方がいれば、ぜひ本を買って読んでみてください(すでに出版から3年経つので、投資に興味のある人はご存知でしょうが、念のため)

でもあえてその雰囲気を伝えるとすれば、

債券の割合が高く、株式がその次

ということ。

この場合の債券は当然、米国債です。

他にもいくつかの金融商品が含まれていますが、全体的には債権比率が高くなっています。

これは株式の変動リスク(債権の3倍らしいです)を軽減するためで、あくまでリスクを均等化するためとしています。

他の金融商品もインフレ加速時に下落しやすい株式や債券を補う形で配置されていました。

このポートフォリオに従って、ロビンズのチームが過去のデータに基づいてシュミレーションしたところ、

年利回りで9.72%

86%以上の期間で利益を上げた

最も損失を出した年の収益率は、2008年のマイナス3.93%(同年のS&P500の損失はマイナス37%)

となり、損失幅が少なく利益率の高い結果が出ています。

これだけ見れば「自分も真似してみようかな」と思ってしまいますが、あくまでアメリカ人の投資家がアメリカドルで運用するパターンになるので、日本人が行う場合はまた別のアプローチが必要です。

ただ米国債の保有はリスク分散の意味では大きな効果をもつのは確かなので、もし自分がこうした形で投資運用を行うのであればぜひとも加えておきたい要素の一つだと思いましたね。

まとめ

2017年に日本で刊行されているので、すでに挙げられた内容はスタンダードになっていたり、経済情勢の変化で通用しなくなっている部分もあるかと思いますが、根本部分では「普遍的」で「継続性」を持った「資産運用の真理」になっていると思います。

今回取り上げた以外にも「投資にかかる手数料の割合」とか「信頼できる投資助言者の見つけ方」など気になる部分もあったのですが、アメリカと日本で環境が異なること、またここは本書を読んでみて欲しいと思ったので、ぜひそちらでお願いしたいところです。

巻末でこの本の解説をしている経済評論家の山崎元氏が、ダリオの黄金のポートフォリオを日本人用にアレンジして紹介しているので、この部分だけでも本書を買って損はないと思います。

経済の先行きが不透明になっている現在、自分の資産は自分で守る姿勢が欠かせなくなっています。

そのための道しるべの一つとして、ぜひこの本を一読されることをおすすめします。





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