2010年には総売り上げ3億枚を突破したポップス界の女王、マドンナの4作目のアルバム「like a prayer」から。
ビルボードチャートで37位初登場以降、徐々にランクを上げ、1989年10月には2位まで上った。
like a prayerなど宗教が絡んだ重いテーマのシングルが続いた中、前向きで愛情あふれるこの曲は音楽誌でも高く評価された。
マドンナ自身もお気に入りの曲の一つらしく、僕的にも近年発表されてる彼女のダンスチューン中心の楽曲に比べれば、この頃のポップメロディーな路線が一番しっくり来るのだ。
デビュー当時から派手でスターダムなイメージのまま自由奔放に生きてきた彼女が、幾多の恋を経験し、結婚そして離婚に至る中で到達した、「素のままの自分」の大切さ。
格好つけず、飾らない、ありのままの彼女の気持ちが歌詞と曲に素直に乗っていて、心温まる素晴らしいラブソングになっていると思う。
このビデオのマドンナも本当に輝いていて、海辺で戯れる彼女の姿はまるで人魚のように美しく妖艶だ。
同時に、マドンナ自身が旧知の写真家にこのビデオの監督を依頼したという、彼女の芸術家の才能を見抜く眼力も、実に確かなものだと感心してしまう。
youtu.be胸に抱いて
いつも私のそばにいるという想いを
喜びを大事にして
私の人生にもたらし続けるの
強さを大切にして
あなたには私を元気にしてくれる力があるわ
そんな考えは捨てるの
私にはできないなんて思い込むのはだめ
(*管理者訳)
現在のマドンナは、さすがにかつてのようなはちきれんばかりの瑞々しさこそなくなっているものの、独特のゴージャスさは相変わらず健在なのだ。一方でネット上で彼女のくたびれた素っぴん姿の写真を見てしまい、「なんだかなあ」と少し哀しくなってしまった。
パパラッチがこういう写真を公表するのは、ファンにしてみればちょっと罪作りだと思うし、プライバシーを切り売りすることで収入を得ているセレブにしても、こういう写真が表に出るのはかなりダメージが大きいだろう。
スターはあくまで作られた虚像でも全然かまわないし、むしろ虚像のままでファンを楽しませてほしい。
たとえほんの少しの間でも、スターはスターらしく存在してくれることが、ファンにとって日常から離れられる至極の瞬間なのだから。
-
-
音楽
続きを見る