ビジネス書のレビューです。
アパレルのブラック企業を退職し、その後ウェブビジネスの世界に身を投じて、現在は4社を経営してマレーシアに居を構える方の著書になります。
どん底の状態から這い上がり、大きな成功を収めた話を提供するビジネス書は数多くありますが、本書はそこに「熱い想い」が感じられました。
私自身も興味があり、多少は参入しているウェブ世界の話でもあるので、すごく共感して読み切ることができました。
今回はそんな”熱い”書籍の感想を語らせてもらいます。
<h2>ビジネスで必要なことは読書が教えてくれた!</h2>
本の序盤は著者の前半生の「ブラック企業からいかに脱出して新しい人生を切り開いたか」が熱く書かれています。
その中でも最大の「脱出」のきっかけを作ってくれたのが<strong>「読書」</strong>だったということ。
ここにまず共感しました。
私も子供の頃から読書が好きで、学生から今に至るまで様々なジャンルの本を読んできています。
本から教えられたこともすごく多いですし、今でも何か悩み事があるときは書店で本を探してきっかけを得ることも多々あります。
著者の場合はブラック企業で酷使させられていくうちに「追い詰められ」、そこから脱出するための手立てとして「本を読む」ことをチョイスしたといいます。
読書するというのは、どうしても「机上の空論」というイメージがつきますが、そんなことは全然ありません。
なぜなら生き物、とくの人間と言うのは、持っている情報もしくは与えられた情報でしか物事を判断できないし、思考を広げることができないからです。
情報すなわちそれは料理で言うところの<strong>食材</strong>です。
食材がないと料理ができないのと同じです。
著者は「ブラック企業で追い詰められて」思考し、そこから脱出するためのきっかけとして「本」を選び、そこからヒントを得たのです。
つまりは本を読み、ビジネスの思考や知識を蓄え、ビジネス社会で生き残る知恵を身につけていったということですね。
そこでの本書の記述で気に入った箇所があります。
著者が読んだ書籍に書かれていたという文章です。
<div class="yellowbox">
<strong>・本の大事な部分は全体の1~2%。大事なところだけ読むとよい</strong>
<strong>・大量の本を読むことで、脳みその深いところで必要な知識が記憶される</strong>
</div>
これは読書だけでなく、世の中のあらゆるものに通じると思います。
スポーツでも勉強でも仕事でも、まずは基礎を広く身につけて、そこから自分の体や性格に合った実践的な技に変化させていくといくことが大事です。
私が昔習っていた武道の世界の<strong>「守破離」</strong>と通じるものがあると思います。
「守破離」とは師の教えを忠実に守り、一定の段階で少しずつ自分に合うように変化させていき、、最後は自分だけの技や体系を作り出すという流れですね。
本を多く読んで、そのエッセンス(本質)を捉えていく作業は、まさにこの「守破離」のプロセスそのものではないかと思いました。
<h2>書籍からの情報の取り方に共感した!</h2>
さらに著者は読書を通じて体得していった「記憶の定着法・知識の習得法」についても興味深い記述を展開されています。
<div class="yellowbox">
<strong>・折り目をつけたり、マーキングをする、メモを取りながらがら読むこと</strong>
<strong>・多読で本質を掴む(最大公約数を抜き取る)習慣を身につける</strong>
</div>
一つ目の作業は、本の情報を<span class="st-mymarker-s">自分の中に根付かせるために必要な行動</span>という気がします。
何か具体的なアクションをとると、人間は不思議と記憶にそれを残すといいますから、まさにそれを実践している形になりますね。
二つ目は、多くの読書から共通している<strong>「本質」</strong>を抜き出すということ。
ここが一番共感できました。
数ある情報の中から「共通する何か」を抜き出し、それを自分の血肉にすることの重要さ。
本はただ読むだけでは単なる「本読み」で終わりますが、本当の意味の「読書」は「本質」を抜き出し、その知識を実際に使っていくことにあるのだと思います。
本書では著者が実際に行った「<span class="st-mymarker-s">全ての責任を自分のせいにする」</span>という言葉にインスパイアされて実践した体験談が記述されており、その部分に「著者が抜き出した本質」を感じ「熱いな!」と感心しました。
職場のブラックな環境を上司や同僚のせいにしていたのですが、それをすべて「自分の責任」と発想を転換し、それに従って言動を変えることで、周りからの評価が良い方向に一変したというのです。
<div class="yellowbox">
<strong>・すべてが自分の責任</strong>
<strong>・悪口を言わない</strong>
<strong>・褒める</strong>
</div>
この3点を実践することで、周りからの反応が面白いように変わったということでした。
この方法は職場の状況や人によって合う合わないがあるのでしょうが、ここでの本質は<span class="st-mymarker-s">「著者が多読する中で記憶に強く残ったフレーズ・知識を実験してみた」</span>というところにあると思います。
これは他の人でも応用が可能だと思います。
誰でも本を多読する中で感じたり、特に記憶に残った記述やフレーズは必ずあるはずで、それに気づくことがまずはファーストステップとして大事です。
次にそれを「実践してみること」で、より深い<strong>「読書からの知識を現実に役立てる」「実社会にフィードバックする」</strong>ことになるということ。
そしてそれを実践できる人が少ないので、成功者と言うのはまさに成功するべくして「成功した」といえるのかもしれませんね。
<h2>副業で稼ぐことの難しさと喜び</h2>
次に著者がチャレンジしたのが起業です。
会社を辞めるにあたって不安なのが<strong>「お金」</strong>。
当然ですよね。
生活していかなければいけませんから。
著者は会社を辞める決意をする前に、まずは本を多読する中で得た「ネット副業」を試してみることにしたといいます。
せどりやポイントサイト、ヤフオクの流れで<strong>「ブログアフィリエイト」</strong>に出会ったことが、その後の起業生活の大きな契機になったようです。
アフィリエイトとはブログ記事に商品の記事やレビューを書いて、そこに貼った広告がクリックされたり買われることで手数料を頂くビジネスモデルのことです。
このビジネスに挑戦して失敗、打ち砕かれ、絶望に涙します。
しかし最後の最後の「出会い」でついに成功に導かれるのです。
このくだりの流れが結構エモーショナルで心に響きました。
その苦難の中で確立した一つの信念が、私自身がこれまでの人生で体得してきたものと被っていたことで、再び「おおおお!」となったのでした。
それは・・・
<strong><span style="font-size: 130%;">「90日間没頭して軸を作り上げる」</span></strong>
ということです。
ウェブビジネスを実践する際に著者が行った行動ですが(とにかく90日間サイトを構築していく)、この行動はウェブビジネスに限らずすごく有効で、実際に著者も<strong>「あらゆる物事に共通する」</strong>と語っています。
私個人の感覚では「軸」と言うのはいわゆる<strong><span style="font-size: 120%;">「スタイル」</span></strong>のことだと思います。
私はトレーニングや武道が好きで若い頃からジムに通ったり、道場に通ったり、または自宅で自主トレしたりと今でも続けています。
このプロセスの中で「3か月」というのは、一つの<strong>「区切り」</strong>だと思っています。
そこで生まれた自分のマインドや体には、ある一定の「変化」が生まれます。
それが自分なりの「ボディライン」だったり、「動きの流れ」だったりします。
そしてそれが「スタイル」というものになるのではないかと思うのです。
そしてそれを成しえるのに必要な期間が<strong>「90日間(3か月)」</strong>だということ。
これは理屈でどうこうではなくて、実際にやりこんで体感してみないと分からない実感です。
なので、ここでの著者の主張は自分の体験を通じて得てきたものと被っており、すごく深く「スーッ」と入ってきた部分でした。
<h2>決断力と環境を変えることの大切さ</h2>
その後も著者はさまざまなウェブビジネスを経験し、ついには月収100万円を越えるようになります。
そしてその過程の中で出会ったさまざまな人たちとの関りで、その後も着実にさらなる飛躍を体験することになります。
現在では4社を経営し、マレーシアに居を移されたということですから、すでに成功当初よりもはるかに高い収入を得たということになるでしょう。
自身の絶え間ない努力と他社からの良き影響で、より大きなビジネスを育てていった著者の激動の人生ストーリー。
その中の終盤で出てきた言葉が「うむ!」と再び心を揺さぶりました。
それは<strong>「決断」</strong>と<strong>「環境を変える」</strong>ということ。
成功したり、物事を前進させようと思えば、必ず<strong>「波に乗る」</strong>ことの大切さを感じるようになります。
自分一人の実力だけでは大きな発展は望めないからです
そのときに必要なのが<strong>「上昇気流に乗る」</strong>ということ。
そしてそれをするためには<strong>「決断力」</strong>が必要だという事。
もちろんそれには失敗も伴います。
ただそれをしない限りは「そこそこ」で終わってしまう可能性が高いというのも事実。
成功者はだいたいにおいて「そんな無茶な」「まだ無謀だよ」ということを実践し、他者から一歩先んじた独自の未来を切り開いています。
そしてそれを可能にするには「決断する」「前進する」だけでは不十分で、決断を担保する「知識」「情報」が必要不可欠になってきます。
それは本からであったり、自分の体験から得たものであったり、人との出会いで得る有形・無形のもの(エネルギー)もあるのです。
そうした決断を行う際に、それまでの環境を変えることも大切で、そうすることで「決断力」に弾みがついたり、物事を前進させるきっかけになることもあります。
その意味で「決断力」「環境を変える」はビジネスだけでなく、あらゆる物事に共通する成功のための法則だと思いました。
<h2>まとめ</h2>
本書の後半は著者が積み上げてきたウェブビジネスの一端を述べていく流れになっており、ウェブビジネスに興味のある人には参考になる部分が多いと感じます。
私自身はむしろ著者がウェブビジネスの世界に入るきっかけだったり、その過程で身につけていった思考法やマインドセットにすごく共感を受けたので、今回このレビューを書くことにしました。
今は一つの本業だけで食べていくのが難しい時代。
私自身も副業をいくつか行っているので、そのことは実感しています。
その意味で、さまざまな角度で熱い「人生論&ウェブビジネス哲学」を伝えてくれる本書はかなりおすすめです。
<strong>著者のブログ⇒</strong><span style="color: #0000ff;"><a style="color: #0000ff;" href="https://steplyism.com/" target="_blank" rel="noopener">GM-STEPLY-ISM マレーシア在住の起業家&投資家MOTO(松山太樹)公式ブログ</a></span>