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映画の英語

「パルプ・フィクション」のセリフで生きた英語をチェック!

2022年2月26日

1994年に公開されて大きな評判になったギャング・ムービーです。

後に「キル・ビル」で日本でも有名になるクエンティン・タランティーノ監督の出世作で、公開当時はそのお洒落な音楽と軽快トークの連発、時系列を逆さにしたショートストーリーの組み合わせが映画好きに大好評でしたね。

私も映画好きの友人に勧められて映画館に足を運び、一発で気に入って2回も観に行ったくらいです。

そんな「パルプ・フィクション」の最大の魅力は「おしゃべり」で、映画の本筋とは関係のないぐだぐだとした「世間話」が場面のいたるところに散りばめられていて、それがまたお洒落でクールな雰囲気を醸し出しているのです。

今回はそんな「おしゃべり」の中から日常英会話でも使えそうなものをピックアップしてみました。

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ハンバーガーとフレンチフライに関する英語表現

ギャングの二人組、ビンセントとジュールスが仕事に向かう途中の車でかわす会話です。

ジョン・トラボルタ演じるビンセントがオランダから3年ぶりに帰国して、オランダやフランスで食べたハンバーガーとフレンチフライの特徴を語っているシーンです。

VINCENT:Well, in Amsterdam, you can buy beer in a movie theatre.  And I don't mean in a paper cup either. They give you a glass of beer, like in a bar. In Paris, you can buy beer at MacDonald's. Also, you know what they call a Quarter Pounder with Cheese in Paris?

(アムステルダムではさ、映画館でビールを買えるんだよ。それもカップのビールじゃないぜ?ちゃんとしたグラスのビールさ。バーみたいにな。パリだとマクドナルドでビールを買える。ちなみにパリではクォーターパウンダーチーズってなんていうか分かるか?)

JULESThey don't call it a Quarter Pounder with Cheese?

(クォーターパウンダーチーズじゃないの?)

VINCENT:No, they got the metric system there, they wouldn't know what the fuck a Quarter Pounder is.

(あっちはメートル法だからな。やつらはクォーターパウンダーの意味なんて分からないさ)

JULESWhat'd they call it?

(じゃあ何て呼んでるんだ?)

VINCENT:Royale with Cheese.

(ロワイヤル・デ・チーズ)

JULES:Royale with Cheese. What'd they call a Big Mac?

(ロワイヤル・デ・チーズ?じゃあビックマックは?)

VINCENT:Big Mac's a Big Mac, but they call it Le Big Mac.

(ビックマックはそのままさ。でも「ル・ビックマック」とは言ってるな)

JULES:Le Big Mac. What do they call a Whopper?

(ル・ビックマックかよ。じゃあホッパーは何て呼んでるんだ?)

VINCENT: I dunno, I didn't go into a Burger King. But you know what they put on french fries in Holland instead of ketchup?

(分からねえな。バーガーキングには行かなかったからよ。オランダじゃケチャップの代わりにフレンチフライに何かけてるか知ってるか?)

JULES:What?

(何だ?)

VINCENT:Mayonnaise.

(マヨネーズだよ)

JULES:Goddamn!

(マジかよ!)

VINCENT:I seen 'em do it. And I don't mean a little bit on the side of the plate, they fuckin' drown 'em in it.

(やつらがそうしてるのを見たぜ。それも皿の上に載ってる小さな量じゃなくて、そのままポテトにぶっかけるんだぜ)

JULES:Uuccch!

(ウゲェ!)

黒字部分の英語の解説です。

I don't mean=~という意味じゃない、~というんじゃないんだぜ

前の文で言ってることを別の表現に言い替えたり、もっと違う意味で表現するときに使うフレーズです。

a paper cup=紙コップ

文字通りの意味です。意外に出てこない英語なので、覚えておくと便利。

a glass of beer=グラスビール

a glass of~(~グラス一杯)のほうに使える感がありますね。

got the metric system=メートル法を使ってる

「彼らは持っている」(they got)の部分に注目です。gotは「have」(持つ)と同じ意味ですが、もう少しくだけた雰囲気を醸し出します。

call it=~と呼んでいる

これもよく使います。call it の次に名詞がきます。

go into=~に入る

goだけだと「行く」になりますが、into「~の中に」をつけると、中に入っていくというニュアンスを出せます。

instead of=~の代わりに

そのままの意味ですね。

映画の冒頭でのシーンで使われる英語で、次のシーンにまったく繋がりがない無駄話ぶりが面白いですし、ヨーロッパの文化に驚きを見せているところもアメリカ人らしくて笑えます。

会話のリズムと内容がなんとなくお洒落に感じるのは、タランティーノならではの言葉のマジックなのでしょう。


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ジョークの英語表現

ギャングのボスの妻であるミアのお守りを命じられたビンセントが、一日の終わりにミアを自宅に送っていく時に、彼女がいったジョークのシーンです。

MIA:You still wanna hear my "FOX FORCE FIVE" joke?

(あなた、まだ私の”フォックス・フォース・ファイブ”ジョークを聞きたい?)

VINCENT:Sure, but I think I'm still a little too petrified to laugh.

(もちろん。でも笑えなくて怖いかも)

MIA:Uh-huh. You won't laugh because it's not funny. But if you still wanna hear it, I'll tell it.

(なるほど。なら、あなたは笑わないでしょうね。なぜなら面白くないから。それでも聞きたいなら話してあげるけど)

VINCENT:I can't wait.

(待ちきれないよ)

MIA:Three tomatoes are walkin' down the street. Papa Tomato, Mama Tomato and Baby Tomato. Baby Tomato starts lagging behind, and Papa Tomato gets really angry. Goes back and squishes him and says: "Ketchup." Ketchup.

(3つのトマトが道を歩いていた。パパのトマト、ママのトマト、子供のトマトの3つ。子供のトマトが両親トマトから遅れ始めたので、パパが怒って子供トマトのところに戻って、こういったの。「遅れずについてきなさい(ケチャップ)」って)

黒字部分の英語の解説です。

I'm still a little too petrified to laugh=怖くて笑えないかも

ビンセントがミアにジョークを聞きたいか?と訊ねられて答えた時のフレーズです。「too~to」で「~しすぎて~できない」の意味になります。ここでは元女優だったミアがドラマの中で使っていたジョークのことで、ビンセントはそれが笑えないジョークというのを聞いていたので、大丈夫かな?というニュアンスを出しています。

You won't laugh=あなたは笑わないでしょうね

won't=will not の省略形です。笑う意志がない、笑うことはないだろうという未来形の否定を意味します。

lagging behind=遅れをとる

子供トマトが両親トマトから「遅れて歩いている」意味で使われるフレーズです。仕事や勉強などにも使えます。

gets really angry=ひどく怒る

get angryで「怒る」なので、そこにreallyをつけて「すごく」になります。angryだけでも「怒る」意味は通じますが、getをつけることで言葉にリズムができます。

Ketchup=追いつく

これぞジョークの肝です。「Ketchup=ケチャップ」を「catch up=追いつく」にかけている部分。トマトはケチャップの原料ですから。

このジョークを言った後、ミアもビンセントも微笑むだけで笑いはしませんでした。

それが全てを物語っていますね。

スルーする英語表現

ビンセントとジュールスの二人が間違えて射殺してしまった情報屋の死体と、汚れてしまった車の処理の手伝いを依頼した掃除屋「ウルフ」(本名:ウィンストン)が二人にかけた言葉です。

全ての後処理を終えて帰宅する際に、車に恋人を同乗させていたウィンストンが二人に「彼女と飯を食いに行くけど、その途中で家まで送ろうか?」と提案しています。(動画の0:20から)

WINSTON:I'm takin' m'lady out to breakfast. Maybe I can drop you two off. Where do you live?

(彼女と朝食に行くのだけど、良かったら家まで送っていこうか?君ら家はどこだい?)

VINCENT: Redondo Beach.

(レドンド・ビーチっす)

JULES: Inglewood.

(イングルウッドでさ)

WINSTON: It's your future: I see... a cab ride. Sorry guys, stay out of your trouble.

(君たち二人の未来が見える・・・タクシーに乗っているようだ。すまないな。気を付けて帰りなよ)

黒字部分の英語の解説です。

drop you two off=君ら二人を家まで届ける、途中で降ろす

drop offで「家まで送り届ける」の意味を持ちます。このときは紳士であるウィンストンが気を利かせて「君ら二人も乗っていくかい?」と誘っている感じです。このときの二人の姿がギャングらしからぬ「Tシャツ&短パン」姿だっただけに、余計に笑えます(黒スーツは血で汚れていたので着替えさせられた)

It's your future: I see... =君たちの未来が見える・・

送っていくといいながら、聞くと二人の家がまるで別方向だったので、やんわりと断った言い回しになります。簡単なフレーズですが、なかなか使えそうな言い回しですね。映画のように少し芝居がかった手ぶり身振りで言うと、余計に面白さが増すかもしれません。

短気で粗野な連中が多いギャング仲間の中、ウィンストンのようなキャラクターにはさすがのビンセントとジュールスも一目置いたようです。

さりげなく断られたにも関わらず、一向に気を悪くさせないところにウィンストンの年の功と英国風の身ごなしが効いているようですね。

「敬意」を示す英語表現

ギャングの関係者(掃除屋)ながら、英国風の紳士然した立ち居振る舞いと完璧な仕事ぶりに感銘を受けたビンセントとジュールスの二人が「あんたをレスペクトしてる」と言われたときのウィンストンと若い彼女の会話です。(先ほどの動画で0:53から)

WINSTON: You hear that, young lady? Respect. You could lean a lot from those two fine specimens. Respect for one's elders shows character.

(聞いたかい?敬意だよ。彼ら二人の立派な見本から君も多くを学べるはずだ。年上への敬意が人間性を示すのだよ)

RAQUEL: I have character.

(私だってあるわよ)

WINSTON : Just because you are a character doesn't mean you have character.

(君に人間性があるからといって、それが他者への敬意をもった人間性を示すとは限らないな)

黒字部分の英語の解説です。

could lean a lot from=~から多くを学べるだろう

couldは「~できるだろう」という予測の意味を持ちます。その背後には「お前さんには無理だろうがね」という意味も含んでいて、それがこのウィンストンという英国風の皮肉屋のキャラクターを示しています。

Just because~doesn't mean=~だからといって、~とは限らない(意味しない)

かなり使える英語表現です。同じ劇中に出てきており、ネイティブの会話ではよく使われている雰囲気がよく出ています。

ここでは若い恋人を揶揄している雰囲気で使われています。

英国紳士の掃除屋ウィンストンは、名優ハーヴェイ・カイテルが演じています。

役の通りのシュッとしな身ごなしと上品は言い回しは、ハーヴェイ本人のキャラと被っていて違和感がなかったですね。

人生哲学の英語表現

映画の終盤のシーンのセリフです。

汚れ仕事で自分に向けられた銃弾が奇跡的にそれて命拾いしたことに感銘を受けたジュールスが、それを「神の啓示」だと信じてギャングの仕事から足を洗い、身一つで世界を放浪することを相棒のビンセントに打ち明けます。

そのときのセリフが以下になります(動画は1分40秒あたりから)

VINCENT:So you decided to be a bum?

(ということは、あんたは浮浪者になることを決めたっていうのか?)

JULESI'll just be Jules, Vincent – no more, no less.

(俺はジュールスだよ、ビンセント。それ以上でも、それ以下でもないさ)

VINCENT:No Jules, you're gonna be like those pieces of shit out there who beg for change. They walk around like a bunch of fuckin' zombies, they sleep in garbage bins, they eat what I throw away, and dogs piss on 'em. They got a word for 'em, they're called bums. And without a job, residence, or legal tender, that's what you're gonna be – a fuckin' bum!

(いや違うなジュールス。あんたは金を恵んでもらおうとそこらへんをうろつく浮浪者になろうとしてるのさ。あいつらはゾンビのように歩き回り、ゴミ箱の中で眠る。投げられた食べ物を食べて、犬にも小便をひっかけられる。そんなやつらを表す言葉が「浮浪者」だよ。仕事もなく家もない、金も持ってねえ。あんたはそんな「クソな浮浪者」になろうってんだ!)

JULES: Look my friend, this is just where me and you differ

(なあ、ビンセントよ、それが俺とお前の考えの違いだな)

黒字部分の英語の解説です。

I'll just be~no more, no less.=(いつまでも)自分は~だ。それ以上、それ以下でもない

ビンセントの決めつけに静かに反対意見を述べるジュールスの返し言葉です。反対意見というよりも「静かな決意」という雰囲気ですね。

They got a word for 'em, they're called=そんな彼らを表す言葉は~だ

激昂してきたビンセントの激しい表現が出てくる箇所です。どちらかというとマイナス的な意味合いに使われそうですね。

Look my friend, this is just where me and you differ=わが友よ、これが俺とお前の考え方の違いだ

そのまま抜粋してみました。意味もそのままです。誰かと意見が違ったときに言ってみたいセリフですね。「Look my boss, this is~」(いいですかボス、そこがあなたと僕との意見の~) 通じるかな?

このシーンは二人がファミレスでモーニングを食べながら語ったセリフです。

食べながら話すビンセントの口元のベーコンエッグすごく美味しそうでしたね。

トークと食事はこの映画の魅力でもあるので、ぜひほかのシーンも見てもらいたいです。

まとめ

記憶に残る映画の一つ「パルプ・フィクション」から「使えそうな英語」をピックアップしてみました。

スラングが多い映画なので、使えそうでもなかなか難しい表現が多かったのですが、その中でも比較的に上品(?)で日本人でも問題なさそうな英語表現になっていると思います。

30年近い前の作品になりますが、いまだに色あせないタランティーノ監督の代表作。

刺激の強い描写が多いのでお子さんにはお勧めできませんが、大人が楽しむギャング・ショートストーリーとして、未見の人はぜひ一度ご覧頂きたいと思います。

タランティーノのクールなギャング映画「パルプ・フィクション」レビュー

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