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イギリスのジョンソン首相の最後の演説で英語を学ぼう

2022年7月22日

2019年に就任して以来、3年に渡ってイギリスを率いてきたボリス・ジョンソン首相が20日、議会で最後の演説を行いました。

ヨーロッパ連合(EU)からの脱退やウクライナへの積極的な支援で評価が高かった同首相ですが、新型コロナウイルスの厳しい規制が続く中での首相官邸などでパーティーや、与党幹部の性的スキャンダルの発覚なへの対応が原因で、辞意に追い込まれてしまった形になります。

そんなジョンソン首相の最後の演説の最後のセリフが有名なアクション映画の「決めセリフ」だったことで反響を呼びました。

今回はジョンソン氏の演説の英語全文の解説と、最後の決めセリフについてのちょっとした豆知識を取り上げたいと思います。


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ジョンソン英首相の最後の演説【英語を解説】

まずは動画をご覧ください。

英語がかなりイギリス風ですね。

正直、英文を読むまでは半分くらいは聞き取れませんでしたから(笑)

話す言葉もキャラクターも(髪型も)癖の強いジョンソン氏ですが、最後のセリフもなかなかのものになっています。

では「気になる」文節ごとに日本語で解説していき、単語やフレーズなどをピックアップしていきましょう。

演説の英文【その1】

I want to use the last few seconds, Mr. Speaker, to give some words of advice to my successor, whoever he or she may be.

【和訳】

残されたわずかな時間で、議長、私の後継者にいくつか助言をしたいと思います。

【単語&フレーズ】

the last few seconds To~=~に最後の数分

give some words of advice=いくつかアドバイスを与える

successor=後継者

whoever=誰であろうと

may be=~かもしれない

解説

want to use the last~のくだりは独特の表現だと思いますね。

訳的には「~助言したいと思います」なので「I want to give advice to my~」という流れでも良いと思うのですが、そこで「want to use the last fewseconds(時間を使いたい)、to (~ということに)」と文章を2つに分けた言い回しにしているのが面白いです。

なんというか、少し遠回しの表現で、これがいかにも「英国インテリ層独特の言い回し」なのか、それとも政治の世界では通常の言い回しなのかは分かりませんが、とにかくここのフレーズの使い方に目を「おおお」と感じました。

最後の「whoever he or she may be(誰であろうと)」は口語的な言い回しで、日常生活で使えそうですね。

演説の英文【その2】

Number one, stay close to the Americans. Stick up for the Ukrainians. Stick up for freedom and democracy everywhere.

【和訳】

まず、アメリカとの緊密な関係の維持、ウクライナへの支援、場所を問わず自由と民主主義への支援

【単語&フレーズ】

stay close to=~と緊密な関係を維持する

stick up for=~を支援する

解説

単語&フレーズが日常生活で使えそうですね。

「関係を維持する」というと、ネイティブではない英語使用者はどうしても「keep relationship between~」的になりがちですが、ここで「stay(とどまる)close(近づく)to(~)」を使うところに「ネイティブ」独特の「こなれ感」を感じます。

同じように「支援する」を「support」ではなくて「stick up for」に言い換えているところも「ネイティブやな~」と。

すごく勉強になりますね。

演説の英文【その3】

Cut taxes and deregulate wherever you can to make this the greatest place to live and invest, which it is.

【和訳】

可能な限りの減税と規制緩和で、英国をさらに最高の投資先、居住先にすること

【単語&フレーズ】

deregulate=規制を緩和する

wherever you can=どこであろうと可能な

to make~=~を~する

which it is=そういうもの

解説

最初に「減税と規制緩和を行う」ときて、次に「どこであろうとできる限り」「英国を最高の居住先で投資先にすること」と並べている流れに「この使い方は非ネイティブには想像がつかないなあ」と感心してしまいました。

「~の限り」といえば、反射的に「as possible you can」「as long as you can」を思い浮かべてしまいますが、「居住先、投資先」である「(英国という)場所を」を捉えて「wherever(どこであろうと)」という表現にしているところに、言葉の使い方の奥深さを感じてしまいましたね。

最後の「which it is」は「what it is」と同じ意味だと思うので、「そういうもの」的に捉えています。

演説の英文【その4】

I love the Treasury, but remember that if we’d always listened to the Treasury, we wouldn’t have built the M25 or the Channel Tunnel.

【和訳】

私は財務省が大好きですが、ずっと財務省の言うことを聞いていたら環状道路25号線もドーバー海峡トンネルもできませんでした。

【単語&フレーズ】

Tresury=財務省

if we had~, we wouldn't ~=もし(過去に)~していれば、~できていなかっただろう

M25=環状道路25号線

the Channel Tunnel=ドーバー海峡トンネル

解説

ポイントは仮定法過去の使い方ですね。

単語&フレーズで取り上げたように、今ではなくて過去に起きたことを回顧する形で使われる表現です。

ドーバー海峡トンネルを「The  channel」と表現しているところも面白いですね!

演説の英文【その5】

Focus on the road ahead. Focus on the road ahead. But always remember to check the rear-view mirror.

【和訳】

前方の道に集中すること、でもルームミラーを見ること

【単語&フレーズ】

Focus on=焦点をあてる、集中する

ahead=前方に

解説

ここはそれほど難しいフレーズはないのですが、一つだけ使えるなと思うのが「ahead」です。

名詞の次に置くと、その「前に」という意味になるんですね。

これも色々と日常会話で使えそうです。

演説の英文【その6】

And remember, remember. Above all, it’s not Twitter that counts. It’s the people that sent us here.

【和訳】

そして忘れてはダメです。大事なのは有権者であり、ツイッターではありません

【単語&フレーズ】

Above all=何よりも

It is not ~that~=~するのは~ではない

counts=信頼する、頼る

sent us here=我々をここに連れてきた

解説

この英文で注目すべきは「it is not~that~」ですね。

thatの次で直前の単語を説明しているのですが、ここでは「It is not Twitter that (you should)counts」になるのかなと思います。

つまり「あなたたちが頼るべきはツイッターではなくて」という感じですね。

同じく次の「It is the people that sent us here」でthe peopleをthat以下で説明している形になっています(我々を議会に連れてきてくれた人々=有権者)

演説の英文【その7】

And yes, the last few years have been the greatest privilege of my life. And it’s true that I helped to get the biggest Tory majority for 40 years and a huge realignment in UK politics.

【和訳】

この数年は人生で最高の栄誉でした。私は保守党の、過去40年で最大の勝利に貢献し、政界の地図を塗り替えました。

【単語&フレーズ】

have been=ずっと~だった

privilledge=名誉

it is true that~=~というのは真実だ

helped to=~することで助ける、貢献する

get~=~を実現する

realignment=再調整する、塗り替える

解説

一見、長く見えますが、この英文を成り立たせているのは3つの要素です。

has beenとit is true that、そしてhelped to getです。

前の2つは上で説明しているので、ここでは省略します。

helped to getですが、ポイントはとくにgetです。

getは直後にでてくる形容詞や名詞、物事の状態を「実現する」という働きをもっています。

一つ目はget the biggest Tory majority for 40 yearsで「保守党を過去40年で最も大きくした」という意味になります。

もう一つはget a huge realignment in UK politicsで「英国の政治を大きく塗り替えた」という意味ですね。

getは使い方が非常に柔軟で大きな単語ですが、基本的には「~を成し遂げる」というニュアンスをもつと思います。

カジュアルな頻出表現「get」フレーズ20選!【英会話】

演説の英語【その8】

Mr. Speaker, we’ve transformed our democracy and restored our national independence as my right honourable friend says. We’ve helped, I’ve helped to get this country through a pandemic and help save another country from barbarism. And frankly, that’s enough to be going on with. Mission, largely accomplished for now.

【和訳】

議長、我々はこの国の民主主義を改革し国の独立を回復しました。我々は、私は、この国がパンデミックを通り抜けるのに貢献し、別の国(ウクライナ)を蛮行から救うことに貢献しました。正直言って、さしあたりそれで充分でしょう。現在のところのミッションは、だいたい完遂しました。

【単語&フレーズ】

transformed=改革した

restored=回復した

national independence=国家の独立

as=~のように

right honourable friend=労働党の党首

get this country through~=~という困難を潜り抜ける

save=救う

barbarism=野蛮さ

frankly=率直に言えば

that’s enough to be=~で十分でしょう

going on with=いま継続していること

largely=だいたい

accomplished=達成した

for now=今のところ

解説

少し長い引用ですが、ここも上の単語&フレーズを理解できれば、そこまで難しい英文の構成ではありません。

もし要チェックな部分があるとすれば、最後の「that’s enough to be going on with」でしょうか。

that's enough to be「それで十分」とあって、何が十分かといえば、going on withで「いま続いていること」となります。

これを合わせると「さしあたってはこれで十分でしょう」というニュアンスになりますね。

演説の英文【その9】

I want to thank you Mr. Speaker, I want to thank all the wonderful staff of the House of Commons, I would thank, all my friends and colleagues, I want to thank my right honourable friend opposite. Mr. Speaker, I want to thank everybody here. And hasta la vista, baby. Thank you.”

【和訳】

議長、感謝します。下院の素晴らしい職員の皆さんにも感謝します。同僚議員のみなさんにも感謝します。労働党党首にも感謝します。議長、ここにいる全員に感謝します。そして、“またな、ベイビー”!

【単語&フレーズ】

Mr speaker=議長

hasta la vista, baby=また会おうぜ、ベイビー

解説

この文章も長めですが、構造や意味自体は簡単です。

want to とwould thankが繰り返されており、wantはカジュアルな意味での「~したい」、wouldはもう少し丁寧な意味での「~したい」のニュアンスの違いがあるくらいでしょうか。

そして何よりも最後の「hasta la vista, baby!」が効いてますね!

映画「ターミネーター2」で使われたセリフですが、まさか最後の演説でこの言葉が出てくるとは思わなかったので「ええ!」と驚きました。

それを一国の首相が議会という公の場所で使うというのが、いかにも型破りのジョンソン氏という感じで、かなり笑えましたよ^^


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最後に:アスタラビスタベイビー!の意味を解説

1991年に公開されて世界的に大ヒットになった「ターミネーター2」で、主演のアーノルド・シュワルズネッガーが演じるサイボーグが、敵のサイボーグを倒す時に発したセリフです。

ジョン・コナー少年がガード役のサイボーグに「こういう言い回しのほうが格好いいんだぜ」と教えた表現を、サイボーグ自身が最後の最後に使うというパンチの効いた場面になっていましたね。

映画自体は凄く好きで、当時高校生だったときに劇場に2回も観に行ったくらいですよ。

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先ほども述べましたが、この表現をまさか英国の首相が最後の演説で語るとは、かなり衝撃的と言いますか、いかにも彼らしいという印象を受けました。

映画では「I'll be back(また戻って来るぜ)」というセリフも「アスタラビスタ、ベイビー(またなベイビー)」というスペイン語と同じくらいに人気がありましたが、こちらを使わなかったということは、ジョンソンさんはもう首相として戻ってくる気はないということなんでしょうか。

ジョンソンさんは安倍元首相が退陣するときもツイートを寄せてくれましたし、さらに先日の安倍さんの暗殺事件でも追悼のコメントを寄せてくれたりと、何かと日本とも縁のある人物でした。

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氏の政治生活はこれからも続くと思いますが、またぜひ復活を遂げて議会で「I'm back, baby!(戻ってきたぜベイビー!)」と言ってほしいですね!


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