テレビ東京の人気番組「カンブリア宮殿」で著名なネジ製造メーカーの社長であり、数々の発明を生み出した天才技術者、道脇裕氏を取り上げていました。
最初は何が有名なのか分からなかったのですが、番組が進むにつれて「この人はリアルにすごい」と。
毎週、各業界の有名人を招いているので大抵は「すごい」のですが、この道脇裕さんに関しては「規格外」という感じでした。
何が凄いのかと言うと、何よりもその「天才性」。
一瞬の閃きで難題を即座にパッと解決する様や、製造現場の業界で不可能といわれた技術をいとも簡単に実現してしまう想像力と実行力などなど・・・
このほかにも今の世の中を変えることができる画期的な発明を実践して、その製品化にも成功化しつつあるということ!
こうした道脇さんの凄さを具体的に説明しつつ、さらにその生き様がかつて見た映画「グッドウィルハンティング」の主人公にそっくりだなというところも含めて、以下の記事でもう少し深堀りしていきたいと思います。
道脇さんの天才すぎる生き様
1977年に群馬県で生まれた道脇さんは、少年の頃から天才ぶりを発揮します。
冒頭にも説明したように「学校の授業が分かりすぎて拷問みたいだった」という理由で、低学年の段階で早くも中退。
中学も引き続き「自主休学」を実行し、その間に漁師やととび職などを経験します。
さらに7年間も部屋で数学の研究に没頭したといいます。
そんな孤高の天才にも理解者がいて、その人の導きで道脇さんはいよいよ世の中に出てくるきっかけを得ることになります。
IT企業の経営者(ここは少し忘れてしまいました)だった方に見込まれ、3年間もの間も交流を続けて「世に出よう」とプッシュされたということ。
ようやく道脇氏が会社を設立したときには、この良き理解者だった方は亡くなられていたそうです。
自分が世に出ることを後押ししてくれたことに感謝されているのか、道脇氏はその方のお墓に参って手を合わせておられました。
ここで分かったのは、どんな天才でも世に出るためには理解者がいるということ。
そして世の中に必要な人は必ず理解者が出てくるということ。
道脇さんはまさに「日本になくてはならない人」になるのでしょう。
実際に氏の発明した製品の数々は、企業や工場だけでなく、社会全体を救う可能性を持っているのです。
道脇さんの発明品
そんな道脇さんの会社の名前は「Nejilaw」。
日本語の「ネジ」と英語の「法則」を混ぜた絶妙の語呂感が最高です(ネジロー)
会社の説明を端的にまとめているwikipediaから抜粋してみます。
発明家であり技術者でもある道脇裕が、自身で発明した緩まないネジ「L/Rネジ」を製造販売する技術メーカーとして2009年に設立し、代表取締役社長を務める。「L/Rネジ」と、ナットを使わず完全締結するネジ「Zaloc」(ザロック)を主力製品とする。従来のねじ規格に相当するL/Rネジの規格体系「N規格」を広めることも目指す。
ネジを主力とする会社は、道脇氏のアイデアを具現化するための役割を果たしているといいます。
オフィスは道脇氏の天才性を示すように、壁や柱がホワイトボードでできていて、ありとあらゆる場所に道脇氏がマジックペンで数式を書き込んでいました(冷蔵庫にまで)
このシーンも後で述べる映画のシーンと被るものがありましたね。
天才というのは脳からあふれ出る構想をホワイトボードに書き込むことでストレスを発散していくのでしょうか?
そんな道脇氏は会社の業務以外にも「悩み相談」を引き受けていました。
取引先の企業や工場から「ネジを緩まないように緩ませる方法はないか」とか「気泡が入ってしまうコンクリートはどうにかならないものか」という相談が放送されていましたが、氏はすぐにその解決法を思いつき、コンクリートの気泡問題に至っては実際の機会を製造して実演までしていました(気泡がほとんどなくなっていた!*通常は50年が耐用年数のところを200年まで伸ばした)
最も驚いたのが、ウィルス感染を防ぐことが可能なデスクトップ型の空間殺菌デバイス「ドクターエアー」を開発したということ。
これはコロナにも効果があるとされ、あの細菌学の偉人である北里柴三郎氏の研究機関で実験の末、一定の効果を示したということになっています。
北里研究所で実施されたDr.AiR(道脇式UVC照射装置)による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化試験結果について
そんな人類の発展にも寄与する発明をいとも簡単に成しえた道脇氏の天才性は、これまでカンブリア宮殿に出てきたどの経営者やイノベーターと比べてもレベルが違うと感じました。
生き様と言い、キャラクターと言い、まさに「天才」を絵に描いたような人ですね!
グッドウィルハンティングの主人公と被る道脇氏の生き様
ここでようやく映画の登場です。
1997年に公開されて話題になったアメリカ作品「グッド・ウィル・ハンティング」は、主演をマット・デイモンとロビン・ウィリアムスが演じています。
ストーリーは「天才だが孤児として育ち、マサチューセッツ工科大学の清掃員の仕事をしていた主人公ウィルが講師の導きで更生して世に出ていく物語」です。
以下にあらすじを述べてみますね。
【あらすじ】
恵まれない環境で育ったせいか、素行が悪く不良仲間と過ごすことが多かった主人公ウィル。しかし数学の才能がとんでもなくあって、大学の学生や講師が解けない問題でもいとも簡単に解いてしまいます。
それを知った教授が彼を更生させようと手を差し伸べるのですが、世の中をうがった目で見てしまう主人公はことごとく受け流してしまうのです。
そこで白羽の矢が立ったのが、教授の大学時代の同級生だったコミュニティカレッジの心理学の講師を務めるショーン(ロビン・ウィリアムス)
同級生のよしみでその依頼を受けたショーンでしたが、色々と語り掛けたりしますが、なかなかウィルは心を開きません。
しかしショーン自身も妻を亡くしたことで心の傷を負っており、そのことがウィルにも徐々に伝わっていき、次第に打ち解けていきます。
最後は大手のシンクタンク企業に就職することになったウィル。
ショーンはもちろん、かつての仲間も彼を快く祝福するのでした。
という感じです。
随分前に(学生時代)に一度見たきりなので、だいぶん話は忘れてしまいましたが、大まかには合っていると思います。
映画は心理学の講師であるショーン(ロビン・ウィリアムス)と天才児のウィル(マット・デイモン)のやり取りをメインに進んでいきます。
全体的には地味な作品ですが、軽口をたたきながらもかたくなに心を閉ざしていたウィルが次第に打ち解けていく様子が、ショーン役のロビン・ウィリアムスの優しくも味のある導きで、静かで深みのある感動的な描写になっていたことが印象的でした。
さて、この映画のどこが道脇氏と関係があるのかと言うと、ご存知の通り、主人公ウィルとの共通性です。
・天才であること
・出会いによって世に出るきっかけを得た
この2つになりますね。
ウィルは孤児で恵まれない生活を送っていたことから、性格が少しばかりねじ曲がっていましたが、ここは道脇氏とは異なります。
道脇氏はお父さんが大手化学系企業の研究所長で、お母さんが結晶学を専門とする大学教授(物理学者)だったそうです。
さらにお爺さんが前橋工科大学長・群馬大学名誉教授を務めた数学者だったということから、すでに発明家になる素地は血統の上からも十分だったということ!
とはいえ、小学校を中退してからは、社会を知るために様々な職種を経験したということ。
この辺りからウィルとの共通性が出てきますね。
ウィルは素行の悪さと悪い仲間が周りにいましたが、この辺りは番組では道脇氏の若き日の詳細を伝えていなかったので、なんともいえませんね。
そして7年間も数学の研究に家で没頭しているときに出会った、岩淵さんという方(大手IT企業)に見込まれ、3年間も「世に出ないか」と口説かれた結果、ようやく決心して起業したという流れ。
これこそがまさに映画で主人公ウィルがショーンという心理学の講師との交流で世に出る決心をした行動と被るものがあるわけですよ。
・天才であるがゆえに世間から外れた行動をしてしまう
・そうした行動がもとで世間に出る機会を失ってしまう
・恩人の出会いで後押しをしてもらう
・天才性が世に行かされる
・社会が幸せになる
まさにこの流れが道脇氏のその後の行動と結果に表れていると思います。
映画でも主人公ウィルがショーンの導きで閉じていた心を解き放ち、きっと新たな天地で自分の才能を世のために生かしてくれていると思います(そう信じたい)
なぜなら彼が付き合っていた仲間たちは世間一般では「ワル」かもしれないけども、ウィルの天才性を認め、彼がそれを活かして世に出ていくことをむしろ喜んでいたくらいに「ウィルという人間を認めていた」から。
人は誰か一人でも自分を認めてくれるものがいることで「人を信じ、自分も信じる」ことができます。
だからきっとウィルはそんな彼らから受けた「友情」を糧に社会で頑張っていくはずです。
そしてもちろんその直接のきっかけを与えてくれた恩師の講師ショーンからも人生の先輩であり、同じく過去にトラウマを負ったものとして「感謝」の気持ちをもっているはず。
道脇氏の友情の部分は分かりませんが、恩師だった岩淵さんのお墓に参っているいうことは、きっと深い「感謝の念」を抱き続けているのだと思います。
天才といえども、人との出会いなくして「世に出られず」。
道脇氏と映画「グッド・ウィル・ハンティング」の主人公の生き様を見て共にそう感じましたね。
最後に
天才発明家そして会社経営者としてバリバリに活躍する道脇さんですが、その風貌と行動はかなりマイペースです。
一番驚いたのが、氏が常にレモンティーを常備しているところです。
「なぜいつもレモンティーを?」と番組スタッフが尋ねたところ「飲むと頭がすっきりするんですよ」と答えていました。
ために事務所の冷蔵庫に一杯レモンティーを入れていて、悩み相談の依頼で取引先の工場を訪ねるときもレモンティーを持っていました。
さらに驚いたのが、番組に出演しているときもレモンティーを手放さなかったことで「スタジオにまで持ってきてたのか!」と驚きつつ笑ってしまいました(失礼)
ネジ会社の社長さんでありながら発明家。レモンティーを片時も手放さずに一日の睡眠時間が2時間。脳の働きがフルスロットルだから糖分とクエン酸で疲労を回復させるのでしょう。天才とはまさにこの人のことですねhttps://t.co/5FfZK6Wd7m#カンブリア宮殿 #道脇裕 #NejiLaw
— イジール太郎 (@izy170) June 17, 2021
「糖質で脳の疲労を癒し、レモンのクエン酸で疲労を回復させる」働きがレモンティーにはあって、それが常に頭をフル回転して睡眠時間も2時間という氏にとっての「ベストマッチな栄養補給剤」になっているという我が推測。どうです?我ながらこの天才的な仮説は!(笑)
そんなあらゆる意味で異色の「天才」道脇氏。
かつて見た映画の主人公との類似点も含めて、これからの氏の活躍はずっと続いていくでしょう。
そのユニークなキャラクターと相まって、静かだけど淡々とものすごいものを生み出していくと確信しています。
そんな道脇氏に見習うために、今日から私もレモンティーを常備して、いついかなる時もグビグビ飲んで脳をフルスロットルで回転させていこうと思いますよ!
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