from: CSO Sounds & Stories
12日に行われた第59回グラミー賞授賞式で日本の内田光子さんが最優秀クラシック・ソロボーカル賞を受賞したニュース。
グラミー賞を受賞した日本人ピアニスト
受賞した作品は、ソプラノ歌手のドロテア・レシュマンさんと共演したアルバム「シューマン リーダークライス他」。
内田さんは2回目の受賞のようで、2011年のグラミーでは最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞を獲得したとか。
昨日このことをテレビのニュースで知って「へえ」と驚いた。
日本人のグラミー受賞はたまに聞いたりするので、それほど珍しいことではないのかもしれないが、テレビに映った内田さんの、なんというか、得もいえぬ表情を写したショットに何かこう、音楽の神が乗り移ったような神々しさを感じたからだ。
とはいえ、実はこの時点で内田さんのことをほとんど知らなかったといってもいい。
ちらりとCDショップに行ったときに目にするくらいで、今まで聞いたことはなかったのだ。
だから、このブログで内田さんのことをあれこれ語れるほどの知識はまるで持ち合わせていないし、むしろこれを機会にちょっと聞いてみようかなと思うくらいの浅い一般リスナーな立ち位置なのである。
世界的に著名にも関わらずほとんど知らない芸術家とくに音楽家に対する、こうした私の後つけ的な立ち位置はかつてこのブログで取り上げた、冨田勲さんのときと同じ香りがする。
だが知らねばなるまい。
聞かねばなるまい。
同じ日本人として、そしてクラッシックという、自分の音楽的嗜好性とはかけ離れたフィールドへの新たなる評価への道しるべとして・・(単に話題になってるから一度聞いて感想を書いてみようかなというだけの話です、はい)
内田光子さんの経歴
まずは内田さんの簡単な経歴をまとめてみたいと思う。
from: OKmusic
1948年12月20日に静岡県熱海市で出生。
お茶ノ水女子大学付属小学校在学時から音楽(おそらくピアノ)を学び始める。
その後外交官だった父親の渡欧とともに12歳でヨーロッパに渡り、オーストリアのウィーン音楽院で修業を続け、独立を果たす。
デビュー当初は全く認められず、国内外で様々な演奏会やレッスンを行うも、メジャーとの契約はならなかった。
1982年に東京とロンドンで行われた「ピアノ・ソナタ連続演奏会」でロンドンの批評家の絶賛を受け、一躍音楽界の寵児となる。
その後も様々な演奏会を経て名声を確実なものとし、1983年にはエリザベート王妃国際音楽コンクールの審査員を務めるまでになった。
1984年には小澤征爾指揮のベルリン・フィル定期演奏会でデビューを契機として、世界的音楽祭の常連となった。
(内田光子 - Wikipediaより)
輝かしい経歴の裏に、不遇の時代も長く経験されているのだと知り、偉大なる音楽家、ミュージシャンというのは、やはり光だけでなく影の部分があってこその存在なのだなと確信した。
クラッシックにはまったく知識がないので、正直まとめていても演奏会の権威のレベルや名声の重みがさっぱり伝わってこなかったのだが、とにかく常に最前線で演奏をし続けている女前なピアニストであるということは、十分に理解できたと思う。
面白かったのが、その演奏スタイルで、
・楽譜を見ると作曲家の指示を無視してでも強引に指定を書き換えて弾くことが多々ある
・そのあたりが「楽譜通りに弾く」ことを要求する楽壇からは受けが悪く、ある程度の記譜を残してあとは演奏家に任せる古典派以前のレパートリーで持ち味を発揮したのは必然の結果であった
(ウィキペディアより)
いかにも才能溢れるオリジナリティへのこだわりという部分で、普段良く聞くロックやポップスでも才能あふれミュージシャンほど、そういう部分が強いので、分野は問わないのだなと感じた。
1972年以降はずっとロンドン住まいで、プライベートのパートナーは、EU理事会対外・政治軍事事務総局長であるロバート・クーパー氏だとか。
from: Euobserver
まさに現実世界のスーパーエリートと音楽世界のスーパーエリートの組み合わせである。
内田さんの音楽スタイルとは
正直、まったく分からないというのが本当のところである。
聞いてみて「ああ、美し音色だなあ」と思うところはあっても、それ以上のところは分からないというか・・・
他の優れたピアニストを聞いてもたぶん同じ感想しか出ないのだろうが・・
たぶん色んなピアノ音楽を聞きこんでいくうちに体でその違いやら、凄さが分かってくるのだと思うが、今回のこのグラミー受賞記事を読んで急いで動画で聞きこんでみたくらいのにわかぶりでは、あれこれと語るのはおよそ不可能というものである。
そこで、専門家の意見を伺ってみて(ググって出てきただけですが)、それをまとめてみることにした。
・グラミー賞のクラシック音楽部門の受賞は、純粋なクラシックのCDのアルバムがアメリカという大きな音楽マーケットで認知されたことを意味する
・内田光子さんのCDが受賞したのは、現代のピアノ演奏における「内田スタイル」がメジャーなものとして受け入れられているということ
・内田さんは数あるピアニストの中でも最も尊敬を受けている存在
・オーストリアの古典においては内田さんが世界最高権威であることは間違いない
・内田さんの演奏スタイルには決定的な特徴「拍節感を弱めている」ところがある
・このスタイルには様々な欠点があるが、内田さんはそこを上手く使いこなして、分かりやすい、知的でシリアスな演奏に転化させている
・「拍節感を弱めている」スタイルには、内田さんのようなプロ中のプロには良いが、演奏を習う若い人には向いていない
すいません。ここまでが限界です。(この後の解説はあまりにも専門的すぎてついていけなかった)
詳しく知りたい方は以下の参照サイトでご覧ください。
まあこんな感じで、詳しい方の批評を読んでみると、いかに内田さんが独自の演奏法で自分にしか出せない内田ワールドを作り上げたかということが分かる気がした。
たしかに聞いていて心地よい感覚があるから。
聞いていて心地よい。
私のようなクラッシックにずぶの素人には、それくらいの感覚が得られれば十分なのだろう。
もともと音楽は「音を楽しむ」ためのものであって、音学「音を学ぶ」ものではないのだから・・
こんな感じで内田さんのグラミー受賞についてあれこれ語らせて頂いた。
どうかこれからも変わらぬご活躍をお祈りしております。
Mozart: Concerto for piano and Orchestra (d-minor) K.466, Uchida
追記
ちなみにグラミー主要5部門はアデルが総ナメ状態のようだ。
主要部門の年間最優秀アルバム賞『25』、年間最優秀レコード賞『ハロー』、年間最優秀楽曲賞『ハロー』に加え、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞『ハロー』、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞『25』の5冠を達成したというから、まさにポップスの女王。
クラッシック・ピアノ界が内田さんなら、ポップス世界はアデルが最高峰ということになるのだろうか。
どちらも英国に関わりのあるミュージシャンというのがすごい。
さすがはビートルズ、レッド・ツェッペリン、ローリング・ストーンズを生んだお国柄だな^^
haven't known about her till reading thie news, so starting to check her carrer, which makes me realize she is the best pianist ever.