ロック界のアンチクライスト・スーパースター、マリリン・マンソンが映画で冷酷な殺し屋を演じるようだ。
マンソンは、養子に迎えた反抗的な息子と娘を殺すよう父親に雇われたPopeという名の殺し屋を演じているという。これまで何度もTVドラマや映画に出演してきた彼だが、「こんなに大きな役は初めてだ」と、『Rolling Stone』誌に語っていた。「脚本だと、俺は半分出っ放しだって言っていい。どう仕上がったかはわからないが」
(BARKSより)
マンソンは以前にも「Wrong Cops」という映画でオタクの音楽ファンを演じていたが、今回が主役級の殺し屋の役。
この人はキャラ的にも映像的にも非常に映える人なので、こういうエキセントリックな役を演じさせたら、相当いいい感じになると思うのだが、この作品、日本でも公開しないだろうか?
コンテンツ
マンソンといえば
マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン(字幕版) 」(1999)で、事件を起こした(コロンバイン高校の生徒がクラスメートを大量に銃殺した事件)生徒が彼の音楽を好んで聞いていたとして、それに関してインタビュー受けていた映像が鮮烈に記憶に残っている。
この事件のこと以外にも、マンソンの歌詞やスタイルが過激で、子供たちに悪い影響を与えるという理由で、コンサートが中止に追い込まれたりすることに対して、
「俺の音楽を聞いてどうこういうよりも、街中のスーパー(Kマート)で普通に銃を買えることのほうがおかしいんじゃないか?」
と、鋭く社会の批判をしていたのを見て、「へえ、見た目によらず、まともなことを言うんだな」と感心したことがずっと胸にあって、それから後にこのブログを書くようになって、マンソンの音楽を取り上げるときに、それまでの彼の発言を調べて記事にしたこともあった。
⇒世紀の悪人エンターテイナー、マリリン・マンソンの「ファイト・ソング」!(The Fight Song / Marilyn Manson)
あれから世界はずいぶん変わったが、アメリカ社会の銃による事件が後を絶たず、ついにフロリダのあの事件が起こってしまったというわけで。
さすがに議会も動き出し、銃規制の方向に進みつつあると聞いて、時代は変わりつつあるんだなと、今日の記事とは直接関係ないところで感慨にふけってしまったという。
マンソン出演がもたらす影響
この映画はマンソンが主演というわけではないが、公開されている映像を見る限り、マンソンの静けなる不気味さが、限りなく主演の兄妹を凌駕していそうだという個人的見解を、彼の虚無的なアップ画像が裏付けしていそうな気がビンビンしてならない。
見よ、この生死を達観した灰色の瞳を。
映画の役柄とはいえ、この表情と目の色はマンソン以外には決して出せる代物ではない。今まで数々の受難と困難を潜り抜けてきたメタルロック界のアンチクライストスーパースターのみに出せる暗黒王者としての貫禄か。
それとも長年君臨し続けたロックの世界のみならず、さらには銀幕の世界にもそのアンチクライストな思想信条を密かにもたらして、いつの日か映像世界をも自らのデッドエンドな耽美の世界に引きずり込まんでその支配下におかんと画策する狂気の男の暗き野望がそうさせるのか?
というか
マンソンのこの映画のショットを見て直感的に思ったのが、「あの二人に似ている」ということ。
洋の東西を超越した類まれなる才能と個性。
ストイックに己を律することができるつわものにて、生と死をわける一瞬の耽美的刹那をスクリーンに見事焼き付けることができる唯一無二の神がかりな存在達。
そう。
彼らこそが、昔も今も映像表現世界を裏で牛耳る
「アンチマジョリティーサークル」(反多数派の集い)
の有力メンバーなのだと・・・
一人目が、ご存知我らがマリリン・マンソン。
アンチマジョリティーサークルの次席幹部であり、アンチクライストスーパースターの称号を持つ偉大なるメタルキング。
そして二番目がゲイリー・オールドマン。
サークルの筆頭幹部であり、ありとあらゆる人生を自由自在に演じることができる最強のカメレオンアクターにして、ブラッドピットから”神”と崇められる、俳優界最強の「ゴッド」。
最後の男が鳥肌実。
日本最強の演説芸人にして、サークルのナンバースリーであり、数々の社会的タブーをもろともせず、すべてを己の芸のために笑いの肥やしにできる究極の裸体アーティスト。
以上の3人こそが、既存の表現体制を打破して新たなる芸術の秩序を世にもたらすことのできる唯一無二の存在であり、その中から抜きんでてアンチクライストな方法論で世に警鐘を呼び起こすことが可能なマンソンが、殺し屋という世にはばかる役柄を演じることで、アメリカに存在する様々なタブーを見事暴き、かの社会の欺瞞と横暴を知らしめる役割を持っているのだと少なくとも私は信じる。
いや、信じたい。
from: scoopnest.com
オーマイガーッド!!
怖い!怖すぎるぜ、マンソン!
マイクをナイフに見立てて口の中を鋭くエッジしようなんて、なんてアンチでクライストでホラーな行為なんだ!!
死をも恐れぬ所業か?!
それとも死すら己の意にまに操れるという余裕の表れか??!!
このままいけばいずれ全世界があなたのホラリックデスゴスワールドにひれ伏すときも遠くないのかもしれない!!!
そのときわたしは・・・・
そのときわたしは・・・・・
ああああ!!!!!!
まとめ
どうでもいいことを、ながながにぎにぎと一人熱く語ってしまいましたが、マンソン先生は今月も正常運転で北米ツアーを行っている模様です。
Marilyn Manson - The Pale Emperor Available Now
11月には来日して幕張メッセで熱いライブを行うようで、いやあ、実に楽しみですね。(ちなみに先ほどのナイフマイク写真は去年のサマーソニックのステージ)
ツアーにレコーディングに映画にと多忙極まるマンソン先生ですが、どうか人生で一度きりで良いですので、鳥肌実と共演してほしいとひそかに願いたい。
そして二人で仲よくステージの壇上でいろんなものを破って燃やして食べて頂きたいと存じます。