デジタルデータの活用によって、世の中にある様々な商品やサービスが各段に便利になってきています。
企業同士のBtoBから、我々一般ユーザー向けのBtoCまでの幅広い分野まで、モノの流通やサービスの提供がデジタル化によって恩恵を受けていると感じる面は多いです。
その代表格がアマゾンやグーグルのような巨大IT企業(GAFA)が提供するアプリやECサービスですし、ここ数年で街でよく見かけるようになったウーバーイーツなどの宅配サービスもそれに当たると思います。
こうした企業はもちろんデジタルデータをフルに活用することで、企業価値を向上させ、新たなビジネスモデルを生み出してきています。
この「デジタルを活用して企業価値を上げる・ビジネスモデルを創造する」ことを「DX(デジタルトランスインフォメーション)」といい、最近のビジネスワードのトレンドになっている感があります。
自分のなかでも「なんとなく言葉は聞いたことがある」程度でありつつ、最近よく耳にするようになっていおり、以前から気にはなっていました。
そこでより詳しく知ろうと書籍を購入してレビューしたのが前回の記事です。
DXって何?な人が最初に読むべき「いちばんやさしいDXの教本」レビュー
このときはあくまで概要をざざっと紹介しただけで、自分の理解もいまいち中途半端なものでした。
そこでさらにもう少し深く知るために、DXの専門サイトや別の書籍で勉強しつつ、「デジタル化で成功している会社や企業は、具体的にどんな形でビジネスモデルを進化させ、サービスを生み出してきたか」ということに重点を置きながら、再度DXについてレビューをしてみようと考えたのです。
ということで、今回はより具体的なDXの本質について迫りつつ、情報収集の中で個人的に注目した企業やサービスを取り上げようと思います。
DXに必要な第一歩とは?
DXはデジタル化の結果に生まれてくる企業価値の向上であったり、ビジネスモデルの創造であることは、先ほども述べました。
では具体的にどういった形でそれが進められるのでしょうか?
その重要な起点となるのが「データベース化」です。
政府のデジタル改革の後押しもあって、最近では各企業や店舗でもデジタル化が進められていますが、まだ多くがその途上にあると言われています。
こうしたデジタル化の第一段階のことを「デジタイゼーション」といいますが、具体的には、
・ハンコを無くす
・伝票などの書類をデジタル化する
・社内メールをクラウド上で一本化する
が挙げられます。
こうしてデジタル化されたデータをビジネスの中で活用していくことで、
「データ管理を一元化し、コスト削減、顧客サービスの向上」
を目指すというのが、デジタライゼーションといわれるものであり、その結果として組織内の意識改革や企業体質の変革が進んでいき、より高価値なビジネスモデルであったり、利益を生み出す企業・組織に変貌を遂げることが「DX」だと私は捉えています。
その全ての起点にあるのが「データのデジタル化」だということ。
何かを判断する時に全ての基本情報となる「メタ情報」がなければ、たとえどんなに高性能なコンピュータでも情報解析ができませんし、「デジタルデータ」をメタ情報と捉えれば、デジタライゼーション(DX)が成功するかどうかにおいても同様のことがいえるかと思います。
デジタル化されたデータこそが「DXへの鍵」といえるわけですね。
そうした視点を踏まえ、私が特に気になった「DXで成功した企業」を以下に紹介していきたいと思います。
ゑびや
三重県伊勢市で土産店や和食、屋台などの商業施設を経営する老舗企業です。
それまでの「そろばん」「手切りの食券」体質から、デジタルテクノロジーを導入して売り上げを4倍、利益率10倍、平均給与5万円アップした企業として書籍で取り上げられていて、「これはすごいな」と感心しました。
デジタル化によって実現したものは
・AIを活用して来店予測を行い、廃棄ロスの削減
・メニューの提供時間を早める
・仕組みをデジタルソリューションとして外販する事業を展開
となっていて、伝統的な古い体質からの一新ぶりが驚異的です。
その全ての起点はやはりデータ化であり、根気よく時間をかけてデジタル化を進めてきたことが成功の秘訣となったようですね。
イーオン
英会話サービスで有名な企業です。
それまでバラバラだった受講生の学習状況の把握を、個別のデータ(出席率や自宅での学習時間など)を収集して、各受講生向けにカスタマイズした学習アドバイスを提供することで、効果的な学習効果を得られるようになっています。
データ分析で露出した受講生の苦手な部分をプロの講師がサポートするという形で、デジタルとヒューマンの理想的な融合が活かされています。
これも「データ収集」を基にしたサービスの向上ということで、それによって新たなビジネスモデル(学習スタイル)が誕生した瞬間だといえますね。
スピークバディ
AIを使った英会話アプリサービスです。
会話の相手がデバイス(スマホやパソコンなど)の向こう側にいる人間の先生ではなく、AIの講師というのが驚きです。
このサービスが開発された要因は、予約が面倒なこと、レッスンごとに先生が変わることの拒否感だったり、対面で話す恥ずかしさ、だといいます。
それによって生まれたのが「AIの英会話講師」。
時間の拘束も気恥ずかしさも必要のないAIティーチャーだからこそ、思い切り間違った英語を話しても気にならないでしょうし、失敗を繰り返すことで上達していくのが語学だとすれば、まさにうってつけのサービスではないでしょうか?
これは正直に言って驚きましたし、実際に自分も受けてみたいと思いました(笑)
もちろんこのサービスを裏支えしているのは「会話データ」「音声データ」でしょうし、その上での音声認識技術が生かされているのだと思います。
まさに英会話DXバージョンですね!
社会のあらゆる面で広がるDX
DXは企業経営における最新トレンドとなっており、これからもその流れは続いていくものと思われます。
その全ての基礎は「データのデジタル化」にありますし、多くの企業や組織にとっては、まずはそれを完全に実現することがDXへの第一歩になるのではないでしょうか?
今後も注目されるDXについて詳しく解説した「DX専門サイト」を最後に紹介しておきますので、ぜひともDXへの知見を深めるためにも参考にされてみては如何かと思います。